今回は豚肉のプリン体量に関して説明していきます。昔は「痛風は贅沢病」だと言われていた時期がありましたが(今も)、これは「お肉の食べすぎ」と同じ意味で捉えられていました。実際にどうなのかを豚肉の部位ごとのプリン体を見てみましょう。
全て100g当たりのプリン体量
首 70.5
肩 81.4
肩バラ 90.8
肩ロース 95.1
肩スネ 107.6
バ ラ 75.8
ヒ レ 119.7
ロース 90.9
ランプ 113
レバー 284.8
タ ン 104
心 臓 119.2
腎臓 195帝京大学薬学部物理化学講座 薬品分析学教室より引用
食品100g当たりのプリン体量が200mg以上を超えれば「プリン体量は多い」、100mg以下ですと「プリン体量は少ない」と考えてください。
豚のレバー(肝臓)、腎臓はこの基準でいえばプリン体は多い部位です。その他の部位はプリン体が少ない部位となります。ヒレが少し多いですが、これも100mgに近いのであまり区別する必要はありません。
お肉を食べすぎると痛風になるの?
豚肉のプリン体量からみると「痛風は贅沢病」という噂は嘘であることが分かります。ではどうして「痛風は贅沢病」という噂が広まったのか。これは恐らく「肥満」と関係しています。痛風になる人はお肉が好きなので太っているというイメージがあると思うのですが、これは一部合っています。
一部とは「痛風になる人は太っている」という箇所です。肥満と痛風には強い相関があり、脂肪が多い人ほど尿酸値が高い傾向にあるのです。では脂肪が溜まる原因は脂質だけなのかといえばそれは違います。実は糖質の方が脂肪になりやすいのです。食事から摂り入れた糖質はインスリンの作用により細胞に吸収されていきますが、使いきれないほど糖質を摂ってしまうと余ってしまいます。余った糖質は筋肉などに蓄えられますが、それでも使いきれない場合には脂肪として蓄えられます。
お肉と一緒にお米を食べる人が多いと思いますが、お米の糖質量はかなり多いのです。ですので、一見お肉のせいで太っていると思われがちですが、実はお米で太っているのです。ですので、「お肉で太っている」というのは一部間違いです。もちろん、お肉も食べすぎると脂肪にはなります。
私の実体験
実は私は糖質制限食を2年以上食べています。糖質制限食ですので、お米などの炭水化物系は量を減らして食べて、主食はお肉or魚です。
ではお肉が主食の私の尿酸値は高いのかといえば逆に低すぎてしまっています。尿酸値は基準値以下の2.7しかありません。7以上になると高尿酸血症になるますが、それよりもはるかに低いです。
なぜ尿酸値が低いのかは先ほどお伝えした中性脂肪が関係しています。中性脂肪が多いと尿酸値が高くなる傾向にあると書きましたが、私の中性脂肪値は46mgです。中性脂肪の基準値は50から149ですので、私の数値は下限値です。これが私の尿酸値が低い理由です。
[私の食事の一例]
朝は鶏肉200gから300g(醤油と胡椒)、野菜を大きなお皿いっぱい(野菜の肉汁で食べる)、納豆
昼は食べない
夜はお米小茶碗1杯(or普通茶碗1杯)、魚、野菜を大きなお皿いっぱい(マヨネーズ)、豆腐
糖質制限をすると脂肪が溜まるイメージがありますが、逆に脂肪が減る傾向にあります。人間の体は良くできていて、糖質不足の時は脂肪を分解してエネルギーにします。これが糖質制限で脂肪が少なくなる原理です。ですので、糖質を減らせば贅沢にお肉を食べても痩せることが可能だし、尿酸値も下がります。
私の場合、野菜をたくさん食べているので、尿酸が尿に溶けやすいという理由もあるでしょう。
豚肉のプリン体量の話から話題が少し逸れましたが、世間ではまだ「お肉=痛風」という誤解がありますのでお話をさせていただきました。
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