高尿酸血症とは血液中の尿酸値が7mg以上の状態を指します。男性と女性によって尿酸値の下限値は違いますが、男性は3.7から7まで、女性は2.5から7までは正常値です。上限値は7mgで変わりません。
尿酸が体内に増えてくると関節に溜まり、結晶化します。そうすると白血球がこの結晶を攻撃することで炎症を起こします。それが痛みの原因になるのです。
尿酸はどこから生まれるのか
なぜ、尿酸が溜まりやすくなるのか。尿酸はプリン体から生まれる物質ですので、プリン体の過多が要因です。プリン体というと「食べ物から摂り入れるだけ」と思われがちですが、これは間違いています。
細胞には遺伝子が収まっている核がありますが、この材料の一つはプリン体からできているのです。ですので、核が役割を終えるとプリン体が放出されます。これを原因とするプリン体が7割から8割占めます。ということは食べ物由来のプリン体は2割から3割ということになります。
尿酸は悪いというイメージがありますが、実は免疫力を強化する大切な役割があります。ですので、適量あることは健康にとても大切なのです。
問題は尿酸が多すぎる場合です。尿酸が溜まりやすい要因は体質が大きく関わっています。日本人という大きな括り(くくり)で言うと、「日本人は尿酸を排出しにく体質」を持っています。痛風患者の6割がこのタイプです。尿酸の大半は尿を通しては排出されますが、これが体質により上手いこと行っていないのです。
そして、もう一つの体質として「尿酸を多く作りやすい体質」を持っている人もいます。こちらは痛風患者全体の1割程度です。
いずれにせよ体内に尿酸が多くあることが高尿酸血症、そして痛風の原因ですので、多すぎる分は排出しなくてはいけません。
高尿酸血症は何歳代が多いのか
高尿酸血症は何歳代が多いのか。統計上、男性では30代が一番多く、次に40代です。なぜ、30代が一番多いのか、明確な答えは出ていませんが、恐らくこの年代の男性の社会的な地位と関係あります。30代から40代は出世して課長や部長など社の責任者的な地位についていることが多いです。そうすると必然的にストレスがかかったり、「飲みにケーション」が増えます。そして、こういう生活をしているとだんだんと太ってきます。ストレスもお酒も肥満も高尿酸血症や痛風の最大要因です。
これに先ほどお伝えした「尿酸を排出しにく体質」「尿酸を多く作りやすい体質」であればさらにリスクが上がります。
このようにこの年代では痛風の要因が幾重にも重なってしまうのです。
一方で女性は女性ホルモンの影響で閉経前は痛風になる人は少ないです。ただし、食生活が乱れているといくら女性ホルモンの影響があっても痛風になります。芸能人の華原朋美さんは痛風らしいですが、まだ閉経する年齢ではないのに痛風になっています。本人はラーメンの食べ過ぎで痛風になったと言っていますが、確かにあり得ます。ラーメンの出汁を煮干しや鰹節で取っていれば汁には多くのプリン体が含まれています。プリン体は水に溶けやすいのです。
閉経後の50代以降は女性も男性と同じ痛風のリスクが大きくなります。
いずれにせよ痛風は生活習慣病なので、痛風になっているということは高血圧など他の病気になっている可能性もあり、年齢に関係なく、生活習慣の改善を図っていくことは大切なことです。
健康診断などで尿酸が高いと言われた人のための予防策について最後に軽く触れます。尿酸はほとんど尿から排出されるので、水分を1日2リットル摂りましょう。もちろん、甘いジュースではダメです。水、お茶系、ブラックコーヒーのいずれかにしましょう。
そして、野菜、海藻を多く摂ること。これらの食材は尿をアルカリにするので尿酸が溶けやすくなります。
以上の2点は最低でも心がけてください。
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