コーヒーは痛風の予防になる飲み物なのかというのが今回のテーマですが、「コーヒーと痛風の関係」と「コーヒーと痛風の合併症の関係」の2つに分けて説明してきます。
◆ コーヒーが痛風のリスクを下げる?
痛風は、血清尿酸値が基準値7.0mg/dL以上の高尿酸血症の状態が続いてしまった結果、現れる病気です。尿酸値を下げることが、痛風にならないためには必要ですが、果たしてコーヒーが痛風を予防するというのは本当なのでしょうか。
実際、コーヒーが痛風のリスクを下げるという研究はいくつかあります。
例えばカナダのブリティッシュコロンビア大学の研究グループはコーヒーを4,5杯飲むと痛風のリスクが4割ほど少なくなるという結果を発表しています。
アメリカのボストン大学の研究(女性看護師9万人が対象)でもコーヒー4,5杯で痛風のリスクが約6割ほど少なくなるという研究を発表しているので、コーヒーの効果は期待してもいいのではないでしょうか。コーヒーに含まれるどの成分が尿酸値に影響を及ぼしているのかはまだ解明は進んでいません。
◆ コーヒーは高尿酸血症の合併症の一つである糖尿病の予防になる
コーヒーのどの成分が痛風の原因である尿酸値を下げる効果があるか、まだ詳しいことは分かりませんが、少し視点を変えてみましょう。
高尿酸血症がずっと続くと、痛風になってしまいますが、そもそも高尿酸血症になる方は、生活習慣が乱れている場合が多いです。その結果、高尿酸血症の合併症を引き起こしていることも多いのです。
高尿酸血症の合併症としては、急性関節炎である痛風発作や尿路結石のほかに、高血圧や糖尿病などのメタボリックシンドロームがあります。
痛風患者さんの中には、メタボリックシンドロームを合併している方が多いのですが、実は、コーヒーに含まれるカフェインには糖尿病の予防効果があります。
◆ カフェインが糖尿病の予防になる
コーヒーを飲むと、2型糖尿病を予防できるという研究が、色々な国でされています。例えばアメリカの研究ではコーヒーを6杯くらい飲む人は飲まない人に比べて3割(女性)から5割(男性)ほど糖尿病のリスクが減るという結果が出ています。
また、カフェイン抜きのコーヒーではカフェインありのコーヒーに比べて糖尿病の予防効果は低いそうですので、カフェインが糖尿病の予防に影響を及ぼしていると言えます。
日本人の場合にはコーヒー6杯飲む人はあまり多くないですが、1杯、2杯くらいでは2型糖尿病に対して効果はないのか。
他の研究(岐阜大学)では「コーヒーを飲む習慣を持っている人はそうでない人に比べて3割ほど糖尿病のリスクが減る」という結果も出ていますので、1杯、2杯でも効果がない訳ではありません。実際にこの研究を率いた永田知里教授は毎日コーヒーを2杯飲んでいるそうです。ただし、何杯もコーヒーを飲む場合は、血糖値を上げる砂糖をたくさん入れないように気を付けましょう。
結論
コーヒーには痛風を予防する効果はありますが、基本は生活習慣を整えることです(参考記事「痛風の予防はどうしたらいいの?」)。
①プリン体を多く含む食べ物を食べ過ぎない
②水分を多く摂る
③有酸素運動を行なう
実際にはコーヒーを飲むよりもタダの水を2ℓくらい飲んだ方が痛風に関しては効果は高いと思います(笑)
痛風の治療の時、糖尿病などの合併症があると、併発している病気を考慮しなければならないので、かなり厄介なことになります。
ですので、合併症まで進行しないように食生活と運動を改善するように心がけましょう。
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