痛風の初期の状態は、どのようなものでしょうか。そもそも痛風は、血清尿酸値が高くなった結果、関節に結晶化した尿酸が析出して起こる疾患ですが、尿酸が高くなった状態である高尿酸血症(高尿酸血症は血清尿酸値が7.0mg/dl以上となった症状)を放っておくと痛風の痛みが出てくる可能性があります。
患部が腫れあがり、激痛が走る痛風になる頃には、尿酸値は間違いなく高いのですが、激痛に見舞われる前の初期の状態でなんとかしたいものです。
◆ 高尿酸血症から痛風の流れ
高尿酸血症から痛風になる経過は「無症候性高尿酸血症期」「急性痛風発作期」「慢性結節性痛風期」の3段階で進んでいきます。
「無症候性高尿酸血症期」は、激痛が走るなどの変調はないのですが、高尿酸血症が続くと関節に尿酸が結晶となった尿酸塩結晶が析出・沈着してしまいます。
「急性痛風発作期」は足の関節に痛みが走る痛風発作を過去に経験していれば、急性痛風発作期に入っています。高尿酸血症を放っておくと徐々に発作の頻度が増して、発作の間隔が短くなってしまいますので、早めに医師と相談しましょう。
「慢性結節性痛風期」は痛風発作が頻発します。慢性結節性痛風期になると尿酸塩結晶が関節以外の皮下組織などにも析出してくるので、痛風結節なども発症してしまう場合もあります(痛風結節については「痛風の症状とは」を参考にしてください)。
◆ 無症候性高尿酸血症期のうちに治療をする
痛風発作が起こる前「無症候性高尿酸血症期」に、高尿酸血症の適切な治療をしましょう。無症候性高尿酸血症期では痛風の痛みが出ていませんが、この段階が「痛風の初期」と考えられます。いつ、痛風が出てもおかしくないです。
定期的な健康診断で、尿酸値が高いと分かったら、食生活を見直す、適度な運動をするなどして、尿酸値を適正値に保つようにしましょう(参考記事「痛風の予防はどうしたらいいの?」)。
薬物治療もあるので、高尿酸血症と診断された場合は、医師とよく相談した上で治療方針を決めるのが良いでしょう。適切な尿酸値が保てれば、尿酸の結晶化は起こらないので、激痛である痛風発作に悩まされることもありません。
◆ 痛風発作を起こす前触れ
痛風発作は突然、発生することが多いのですが、中には発作の起こり始めの時期に、足が重たい、違和感があるなどの前兆がある方もいるようです。ですので突然の激痛に悩まされる前の初期の状態である高尿酸血症のうちに適切な治療をしましょう。
[参考記事]
「痛風の症状が出ない無症候性高尿酸血症」
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