痛風になってしまった時、病院ではどのような検査をするのか。
◆ 痛風になったときに行く病院
「足の親指の付け根が腫れあがってきた」
「物凄い激痛が突然襲ってきて歩けない」
「夜中に痛みが出てきた」など、痛風の急性関節炎(痛風発作)による痛みが出た時には病院で調べてもらいましょう。
代謝系の病気なので、内科でも大丈夫ですが、できれば専門医がいる痛風外来をもっている病院がお勧めです。
◆ 痛風の診断とは
さて、痛風になってしまったら、何を基準に診断するのでしょうか。
痛風は、尿酸値が高い状態(高尿酸血症)をそのままにしてしまった結果、関節に尿酸塩が溜まってしまうことで起こる関節炎です。
診断基準は、以下の米国リウマチ学会の基準を用いて、その項目に当てはまるか、もしくは炎症を起こした関節から関節液を採取して、尿酸の針状結晶を確認できたら痛風と診断されます。
米国リウマチ学会の以下の診断基準11項目のうち6項目で当てはまれば、痛風という診断が可能になります。
・2回以上の急性関節炎の既往がある
・24時間以内に炎症がピークに達する
・単関節炎である
・関節の発赤がある
・第一MTP関節の疼痛または腫痛がある*
・片側の第一MTP関節の病変である
・片側の足関節の病変である
・痛風結節(確診または疑診)がある
・血清尿酸値の上昇がある
・X線上の非対称性腫張がある
・発作の完全な寛解がある*MTP関節:中足趾節関節(ちゅうそくしせつかんせつ)のこと
◆ 痛風の検査
初診の検査では、採血と採尿、必要な場合は関節のレントゲン検査(関節や骨の変形を見るため)も行います。米国リウマチ学会の検査基準の中に痛風の検査に必要ならばレントゲンは必要であると書いてあります。通常は骨折か痛風かを区別するために使われることが多いようです。
血液検査では、血清尿酸値をウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法という検査法で測定します。この検査結果で、尿酸値が7.0mg/dL以上であれば、高尿酸血症という診断が出ます。自分の尿酸値を知っておくことは、治療の目安を知る上で重要な情報です。
血清尿酸値が6.0mg/dL以下となってから、3年以上キープできることが治療の目安とされています。
◆ 尿酸クリアランス検査
関節液から尿酸塩結晶が出れば、症状と合わせて痛風という診断が可能ですが、この状態にまでなってしまっている原因の多くが食生活などの生活習慣です。
しかし、体質的な要因や、遺伝子異常とも考えられるので、どのタイプの高尿酸血症なのかを検査することも大切です。
血液検査で、血清尿酸値が7.0mg/dL以上で高尿酸血症と診断された場合、尿酸クリアランス検査を行うことで、以下の3つの種類に分類できます。
・尿酸が肝臓でたくさん作られてしまう人(尿酸産生過剰型)
・尿酸が腎臓から排泄しにくい人(尿酸排泄低下型)
・尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型が合わさったタイプの人(混合型)
測定は、採尿を行っての検査になりますが、この3つのどの種類に当てはまるかで、治療の方針やどの薬を使うかが決まります。
◆ 超音波・CTなどの検査
腎臓や尿管に結石がないかなどを調べる検査です。高尿酸血症が続いている患者さんは、合併症を起こしている可能性もあるので、これらの器官に対して超音波やCTなどの検査が必要な場合もあります。
[参考記事]
「痛風とは一体どんな病気?」
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