痛風になる原因は尿酸が増えることです(痛風については「痛風とは一体どんな病気?」で詳しく説明しました)。私たちが普段食べるものによって、尿酸値は変化します。肥満の方が、痛風患者になるイメージがあるかもしれませんが、確かに痛風になる方は、メタボリックシンドロームになっている場合も少なくはありません。それだけ、食べ物は痛風にとっては大事な要素なのです。
◆尿酸はプリン体から作られる
尿酸はプリン体が代謝された後に残る最終産物です。プリン体は「食事から摂り入れるルート」と「体内で生まれるルート」があると「痛風の原因とは」で詳しく説明しました。
手短に説明すると「食事から摂り入れるプリン体は全体の2割、体内で発生するプリン体は全体の8割」と書きましたが、私たちが痛風対策をする場合、食べ物からのプリン体を制限するしか方法はありません(体内で発生するプリン体は意識的に制限しようがありません)。
日本痛風・核酸代謝学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によると、プリン体摂取量は、「1日400mgを超えないようにする」と書いてあります。
ではどの食品にプリン体が多く含まれているのかを見てみましょう。
◆プリン体の多い食品
食品100g当たりのプリン体が200mg以上であれば「高プリン食」になります。文字通り、プリン体が多い食品になります。以下の食べ物をたくさん摂ると痛風になる危険性が高まります。
〇プリン体が極めて多い(100g当たり300mg以上)
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、アンコウ肝酒蒸し、カツオ節、ニボシ、干しシイタケ
〇ややプリン体が多い(100g当たり200~300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビなど
◆プリン体の少ない食品
食品100g当たりプリン体が100mg以下であればプリン体は少ないと判断できます。
〇プリン体が少ない(100g当たり50~100mg)
ウナギ、豚ロース、豚バラ、牛肩バラ、牛タンなど
〇プリン体の極めて少ない(100g当たり50mg以下)
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、ジャガイモ、サツマイモ、米、パン、うどん、そば、果物、大根やトマトなどの野菜
◆アルコールは尿酸を増やす
アルコールの中で、とりわけプリン体が多いのがビールと世間では言われていますが、実はビールは思ったほど多くはありません。大手メーカーのビールでは100ml当たり7mg(350mlで24.5mg)くらいです。ただし、地ビールのプリン体は大手ビールメーカーの倍くらいあるメーカーもあり注意が必要です。紹興酒も100ml当たり12mgくらいプリン体がありますので、気を付けた方がいいでしょう。
ただ、アルコールは、プリン体をあまり含まなくても、血清尿酸値を上昇させるため、お酒の摂取は出来れば控えてください。尿酸値への影響は、日本酒1合、ビール500ml、ウイスキー60ml程度より現れると考えられています。
◆水分を多く摂る
尿中の尿酸の濃度を低下させるために、1日当たり2000mlの尿量を確保するように水分を摂ることが大切です。十分な水分を摂取することも尿酸を下げるために有効な手段になります。
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