足を動かすことも困難な激痛が襲う痛風発作が現れると、関節がとにかく腫れあがります。腫れているということは、ぱっと思いつく処置が「冷やす」ということですが、効果的なのでしょうか。
痛風とは
食生活や生活習慣の乱れから、体の中に尿酸が溜まってしまい、やがて結晶化した尿酸が関節に溜まりだして炎症を引き起こす病気です。
◆ 激痛の対処法
痛風になってしまったら、とにかく腫れた患部を冷やし、心臓より患部を高くして安静にすると痛みが緩和します。激痛が起こったときは、この方法を試してみると良いでしょう。
◆ 炎症と「冷やす」ということ
痛いところは冷やす(アイシング)という意見と、いや、温めた方が効果的だという2つの意見を聞いたことがあるのではないでしょうか。
温める方が、血行に良さそうだし、治りが早いのではと考える方もいるかと思いますが、関節炎の場合は逆で、冷やすことが大切です。「関節炎」という字を見ると、「炎」という字を書くくらいですので、患部は熱を帯びます。
ここから、温めるか、冷やすかを考えると、冷やす方の選択肢を取る方がベストです。冷やすか、温めるか忘れた場合には「炎と書くから冷やすんだな」と覚えてください。
◆ なぜ痛風のときは冷やすのか
炎症を起こすということは、ただでさえ組織が痛んでいる状態なので、これ以上酷くならないように冷却することが大事です(痛んでいる食材を冷蔵庫で冷やすと痛みが止まりますが、これと原理は同じ)。
関節炎は、組織が損傷している状態ですし、血管が広がっていて血流も多くなっているので、熱を帯びています。この状態を、冷やしてあげることで、痛みが和らぎます。
◆ どのように冷やすと効果的か
痛風のときには、果たしてどのように冷やすのが効果的なのでしょうか。冷やす方法と聞いたら、氷か湿布あたりを思い浮かべることが多いのではないでしょうか。実は、なんでも良いわけではありません。
よくスポーツ選手が、氷によるアイシングを行っているのを見たことがあるかもしれませんが、氷は水になるまで0℃のままです。氷は、もちろん患部に当てれば冷たく感じますが、凍傷を起こす心配がなく冷やすことができます。
湿布や保冷材は、氷とは全く異なるものですので注意が必要です。保冷材は、薬品の効果で凍りますので0℃よりもっと低い温度まで下がります。これで患部を冷やしすぎると、凍傷を起こす可能性があるので、氷での冷却の方が安全です。湿布は、皮膚表面の温度を多少下げるだけなので、やはり氷での冷却がベストです。
[参考記事]
「痛風にお風呂やサウナは良い悪い?」
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