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痛風になったときに現れる浮腫(むくみ)の原因は

 

 朝起きて、何だか顔がむくんでいる、夕方に足がむくんで靴がきついなどの経験は誰しも一度はした事があるのではないでしょうか。

 むくみ自体は身近な体の変調ですが、痛風になった時にむくみが起こると体の中でどのような異変が考えられるのかを説明していきます。

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◆ むくみ(浮腫)とは

 体重が増えたとき、太った?と思うかもしれませんが、肥満で体重が増えるのと、むくみで体重が増えるのとでは全く違います。肥満は、脂肪の増加が原因ですが、むくみは、水分が血管やリンパ管の外に出て、皮膚の下に溜まった状態です。

 むくみかそうでないかを判断するには、むくんでいると思われる部分の皮膚を指で押したときに、押した痕がすぐに元に戻らなければ「むくんでいる」と判断できます。

◆ むくみは危険?

 体がむくんでいても、それ以外に特に症状がないと大したことはないのではと思うかもしれませんが、むくみはその原因である病気のせいです。たまたま塩辛いものを食べ過ぎたなどで起こる「一過性のむくみ」であれば大丈夫ですが、むくみが続くのあれば病気が疑われます。

 例えば、腎臓病や心不全などの病気の為に起こっているむくみの可能性もあります。また、体全体がむくんでいる場合は、内臓(肺など)が機能しなくなって危険な状態になる可能性もありますので、むくみは危険なサインなのです。

 その他にも薬の副作用によりむくむ場合もありますので、もし何も覚えが無いのに急にむくみだしたら薬を飲んでいないか思い出してください。

 例えば痛み止めのロキソニンの副作用でもむくみは起こります(参考記事「ロキソニンの副作用により心不全の症状で出て呼吸困難に(実例)」)。私はこの参考記事の中の彼女とは実際にやり取りしたのですが、健康な看護系の学生です。しかし、ロキソニンの副作用で心不全寸前までの状態になり、むくみ(浮腫)が起きています。指で押したら5ミリくらいへっこんだまま、元に戻らなかったと言っています。

◆ 痛風とむくみの関係

 では、痛風になった時にむくみが出てきたとしたら、体に何が起こっているのか。むくみと言えば、先ほどお話したように「腎臓が悪いこと」が原因の場合も多いのですが、実は痛風になると程度の違いはありますが腎臓には負担がかかっています。

 痛風と腎臓って結びつきがないように一見思いますよね。しかし、大いに関係があるのです。痛風になると関節に尿酸の結晶が現れ、その不要な尿酸の結晶を取り除こうと白血球がやってきた結果、炎症が起こります。この尿酸の結晶は関節以外にも腎臓にも溜まる場合があり、腎臓の機能低下を引き起こします。関節に症状がでるのだから、腎臓は関係ないかのようにみえるかもしれませんが、尿酸の結晶は関節の次に溜まりやすいのが腎臓になります。

 尿酸値が基準値をオーバーしているのに、治療せず放置しておくと腎臓機能を弱らせる可能性があるのです。腎臓は、末期の腎不全になるまで症状があまり出ないことが多いので、本人が気付いたときには時すでに遅し、一生人工透析ということにもなりかねません。人工透析をすると週に何回も病院に行かなくてはいかないので、生活の質がかなり落ちます。

◆ 合併症も腎臓を悪くし、むくみの原因となる

 痛風患者に良く見られる合併症には高血圧や糖尿病がありますが、これらは腎不全の原因となります。人工透析の原因の1位が糖尿病性腎症ですので、特に痛風の人は糖尿病に気を付けてください。まだ、痛風の原因である尿酸値と高血圧や糖尿病の関連性の詳細は解明されていませんが、尿酸値が高ければこのような合併症が出てくる率は高くなることが報告されています。

 尿酸だけでも腎臓の機能低下が起こる可能性があるのに、高血圧などの合併症がさらに追い討ちをかけることになり、進行すれば、むくみが体に現れてしまいます。むくみを起こすほど腎臓が酷くなる前に、尿酸値は基準値以内になるようにアルコールを控える、ストレスを無くすなど生活の改善しましょう。

[参考記事]
「痛風はストレスがあるとなりやすいの?」

「痛風とアルコールの関係」

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