高尿酸血症が続くと、尿酸とナトリウムが尿酸塩を作り、尿酸塩結晶が関節内に析出します(高尿酸血症については「痛風とは一体どんな病気?」を参考に)。その結果、起こるのが急性関節炎(痛風発作)であり、最初の発作は、足の親指の付け根の関節(中足趾節関節)で起こることが多いですが、その他の関節でも起こります。
◆ 足首にも痛風は起こる?
尿酸が結晶になってしまうと、体に沈着を起こし出しますが、痛風発作になるのは膝から下の部位が多いです。足の親指の付け根の関節である中足趾節関節が最も痛風発作を起こしやすい部位ですが、くるぶしなどの足首周辺(距腿関節など)にも痛風は起こります。
◆ 足首の痛風の特徴
痛風発作の特徴は、関節が腫れあがり、歩けなくなるくらいの激痛が突然やってきます。痛風が慢性化している患者さんの中には、激痛が起こる痛風発作前に、なんとなく違和感を感じたりするようです。
足首の痛みの場合、捻挫などの可能性もありますが、捻った覚えがなければ、痛風の可能性が高いので病院を受診することをお勧めします。
◆ 膝から下の関節に尿酸塩結晶が溜まりやすい理由
尿酸塩結晶は、ひじ、手首、指の関節に沈着することもありますが、膝から下の関節にもっとも溜まりやすいです(股関節や肩関節など、大きい関節では通常、痛風発作は起こりません)。
膝から下の関節に痛風が起きやすいのは、尿酸塩結晶が溜まりやすい特徴があるからです。それは足首付近は体の中でも温度が低くなりやすい部位であるので尿酸が溶けにくいのです。その結果、尿酸がナトリウムと結合して尿酸塩結晶になってしまいます。
尿酸塩結晶は関節組織に溜まりますが、ここを強くぶつけたり、急激な尿酸値の変動などが起こると、関節組織に溜まっていた尿酸塩結晶が剥がれます。足首は、日常的に動作が加わる部位なので、尿酸塩結晶が剥がれ落ちる衝撃が起こりやすい部位です。剥がれた尿酸塩結晶が関節腔内に放出されると、免疫細胞がやってきて、結晶を除去しようとします。このときに炎症が起こす物質が出てくるので、関節が赤く腫れあがり、激痛となるのです。
[参考記事]
「痛風とは一体どんな病気?」
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