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痛風の人は大豆を食べても大丈夫?納豆、豆腐、乾燥大豆のプリン体量は

 

 日本食に、大豆はよく使われる食材です。大豆はそのまま料理に使われることもあれば、醤油や豆腐などの原料になることもあり、栄養もあるので日頃から注目されている食品です。

 では、痛風の心配がある尿酸値が高いときに、大豆は食べても大丈夫な食品なのでしょうか。ここでは、大豆に関してお話します。

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日本人の食卓と大豆

 大豆の歴史は古く、紀元前2000年よりも前から中国ではすでに栽培がされていたといわれています。日本には、弥生時代に中国から大豆が伝わり、鎌倉時代以降になると、日本各地で大豆が栽培されるようになったと考えられています。やがて、醤油や味噌、豆腐に納豆などの大豆加工品が作られるようになりました。

 また日本では、昔から五穀(米・麦・粟・稗・豆)をとても大切な作物としてきました。大豆には病気や災いといった魔を滅ぼす力があると考えられていたので、節分になると、煎った大豆をまくことで、厄除けをする習慣が今でも行われています。

大豆は栄養価が高い

 大豆は、タンパク質が豊富であり、その量は肉に匹敵します。ここから、「畑の肉」と呼ばれるようになったのですが、豊富なタンパク質に加えて、大豆には脂質、食物繊維、ビタミン類など色々な栄養素が含まれています。つまり、大豆自体は健康的な食品なのです。

乾燥大豆にはプリン体がやや多め

 健康食品としてのイメージが強い大豆ですが、プリン体はどのくらい含まれているのでしょうか。

 スーパーなどで手に入る乾燥大豆をみてみると、100g当たりのプリン体量は約173mgです。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(日本痛風・核酸代謝学会)を参考にすると、プリン体が多い食品である、高プリン食という基準に当てはまるには、食品100g当たりのプリン体量が200mgを超えていなければなりません。乾燥大豆に含まれるプリン体は、200mgには届かないので、高プリン食ではないものの、数値上はプリン体がすごく少ないとも言えない食べ物です。

 ちなみに大豆を原料にしている加工品をみてみると、豆腐や豆乳、醤油やおからは100g当たりのプリン体量は50mg以下なので、「プリン体がかなり少ない食品(100g当たりのプリン体量50mg以内)」に該当します。

100g当たりのプリン体量

豆腐は約30mg
醤油は約45mg
枝豆は約48mg
おからは約49mg
ピーナッツは約49mg

 これらの食品と比べて納豆は少しプリン体が多く、100g当たり114mgくらいです。100g当たりのプリン体量が100mgを超えると「プリン体が多いとは言えないけど、まあまあ多い食品」になりますが、納豆1パックで換算すると50mg程度ですので、あまり気にする必要はありません。

乾燥大豆は全く食べない方がいいのか

 そもそも、1日のプリン体摂取量はどのくらいが目安かというと、「400mgを超えないように」という基準があります。この基準は高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインに記載されていますが、尿酸値が高いときは、この1日400mgを目安にしてプリン体の摂取量に気を配りましょう。

 では、痛風の人はプリン体量がやや多い乾燥大豆を全く食べない方がいいのかというと、適量食べる分にはかえって健康に良いので神経質になる必要はありません。実際のところ乾燥大豆は、そのまま食べるには硬いので、水に浸して戻す工程が入り、そこから茹でるなどして調理されます。水を吸うので乾燥大豆は約2.3倍に膨れて大きくなりますので、プリン体が気になるほど食べるとなると相当たくさんの量になります。

 煮物やサラダに入っている大豆を多少食べるのでしたら栄養価が高い上に、煮たり茹でたりする工程でプリン体がある程度カットされるので、むしろ食べた方が健康に良いと考えられます。

 痛風を起こしたり、尿酸値が高くなってるときは、食生活が乱れていることも少なくないので、大豆を日々の食卓に適量取り入れれば、むしろバランスのよい食生活になることが期待できます。

[参考記事]
「痛風の人はマグロを食べても大丈夫?マグロのプリン体量は…」

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