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激痛体験記:30代男性が語る“痛風発作”のリアル

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「朝、目が覚めたら世界が変わっていた」

あの日の朝のことを、僕は一生忘れないと思う。目が覚めた瞬間、右足の親指の付け根に、今まで味わったことのないような激痛が走っていた。まるで誰かが熱したアイスピックで足を突き刺しているような感覚。動かそうにも動かせない。触れようものなら、痛みで声が出る。

「これ、骨が折れてるのか?」
「いや、何かに刺された?」
「もしかして…何かの病気?」

寝ぼけた頭で様々な可能性を考えたが、結論は出ない。ただ一つ言えるのは、「とにかく尋常じゃない痛み」だということだった。

「痛風?いやいや、まだ30代だし…」

僕は現在35歳、都内のIT企業で働く会社員だ。身長175cm、体重は82kg。大学を卒業してからというもの、運動習慣は皆無。毎日の仕事はデスクワークで、昼はコンビニ弁当、夜はビールを片手に外食かインスタント。週末は友人と飲みに行くのが唯一の楽しみで、特に日本酒と焼き鳥の組み合わせが大好物だった。

そんな僕が「痛風」になるなんて、まったく考えていなかった。痛風なんて、もっと歳を取ったおじさんがなる病気だと思っていたし、自分とは無縁のものだと油断していた。

「病院で下された“宣告”」

痛みが引くどころか、時間が経つにつれて悪化していく。靴は履けないし、杖を使ってもまともに歩けない。ついに会社を休んで近所の内科に駆け込んだ。

レントゲンでは骨に異常はなし。血液検査をして、医師が口にした言葉は、

「尿酸値が9.8ですね。これは典型的な痛風発作です。」

——痛風。
その瞬間、まるで頭を殴られたようなショックを受けた。

「マジか……俺が痛風?」

しかも、医師は言う。「これは慢性化しやすいから、しっかり治療しないと、どんどん再発して、関節が変形することもあります」と。

「激痛の中で考えた“自分の生活”」

帰宅してから、処方された痛み止めとコルヒチンを飲んで横になる。少し楽になったものの、痛みは完全には引かない。横になっていても、じわじわと炎症が広がってくるような不快感があった。

ふと、ここ数年の生活を振り返ってみる。

  • 朝食抜き、昼はコンビニ、夜は外食とビール

  • 運動ゼロ、移動はタクシーか車

  • 飲み会は週2〜3回

  • 健康診断は数年サボり中

思い返せば、尿酸値が高いと会社の健診で指摘されたことが一度あったが、「まあ大丈夫だろう」と放置していた。今思えば、あれが最初の“警告”だったのだ。

「痛風は“贅沢病”ではない。生活習慣病だ。」

痛風と聞くと、「贅沢病」というイメージがあるかもしれない。実際、僕もそう思っていた。しかし現実は違った。

ネットで調べてみると、プリン体の多い食事だけでなく、ストレスや肥満、運動不足も大きな要因になると知った。そして、現代人の多くが“予備軍”であることも。

尿酸は体内の老廃物。それが処理しきれずに結晶化し、関節にたまることで炎症を起こす。つまり、自分の体が「もう無理です」と悲鳴をあげている状態だったのだ。

「治療開始。薬と生活の地味な戦い」

痛みが落ち着いてから、通院しながら本格的な治療を始めた。尿酸値を下げる薬(フェブキソスタット)を毎日飲む。定期的な血液検査も欠かせない。最初の数ヶ月は、副作用が出ないか慎重に様子を見る。

そして何より、生活習慣の見直し。

  • ビールをやめて、ハイボールか焼酎に変更(量も大幅に減らす)

  • 肉中心から、魚・野菜中心の和食へ

  • 間食やスナック菓子をやめる

  • エレベーターをやめて階段を使う

  • 週3回、30分のウォーキングを日課に

急激な変化にストレスも感じたが、「またあの痛みを味わうくらいなら、これくらい我慢できる」と自分に言い聞かせた。

「再発はするのか?」

治療を始めて半年。尿酸値は7.0まで下がり、今のところ再発はしていない。しかし、医師いわく「尿酸値が6.0未満にならないと油断はできない」とのこと。

事実、油断してビールを2杯飲んだ翌日、足の違和感を感じたことがある。発作には至らなかったが、体が警告を出しているのが分かった。

「痛風が教えてくれたこと」

痛風発作は、僕にとって人生の大きな転機だった。体の声を無視し続けてきた自分への“ツケ”だったと思う。

30代は、まだまだ若いと思っていた。でも、体は確実に変化している。無理がきかない年代に突入していたのだ。

今は「健康的な生活」を心から大事に思っている。体重も6kg落ちたし、食事の味も変わった。以前よりも睡眠の質が上がり、朝もすっきり起きられるようになった。

最後に

もし今、足に謎の痛みを感じている人がいたら、迷わず病院へ行ってほしい。特に「自分はまだ若いから大丈夫」と思っている30代の男性こそ要注意だ。

痛風は「命を奪う病気」ではないが、「生活の質を奪う病気」だ。そして、痛みは本当に冗談抜きで地獄だ。自分の体を甘く見ないでほしい。

——痛風は、誰にでも起こり得る。30代のあなたも、例外ではない。

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