痛風発作と聞くと、とにかく突然痛くなりそうなイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか。
◆ 痛風発作とは
痛風発作は関節内に尿酸塩結晶(尿酸がナトリウムと塩を作り結晶化する)が析出することで引き起こされる急性関節炎です。この発作で、関節に強烈な痛みが走ったり、患部が赤くなったりします。
◆ 痛風発作の症状
痛風発作の代表的な症状は、下記の通りです。
・ひとつの関節にしか痛みは出ない
・最初の発作は70%が足の親指の付け根あたりの関節(中足趾節関節)に起こり、症状は急に現れ、短時間で痛みと腫れはピークに達する
・痛みは、足を動かせないくらいの激痛
・激痛を起こした関節が腫れあがり、赤くなる
・1週間から10日程度で収まる
このような症状が出ると、通痛風発作の可能性が高いです。
◆ 痛風発作が発症するまで
痛風発作の激痛が起こるまで、一体何が私たちの関節で起こっているのでしょうか。
尿酸は私たちの体の中にたくさんにありすぎると、血液に溶けきれなくなって、ナトリウムと結合し、結晶(尿酸塩結晶)を作ります。この結晶が関節に溜まってきて、物理的な刺激や尿酸値の急激な変動が加わると、溜まった結晶が剥がれ落ちます。
この剥がれた尿酸塩結晶が関節腔内に入ると、本来そこにはないものなので、除去しようと、白血球などの免疫細胞がやってきます。この白血球が尿酸塩結晶を攻撃しているときに放出する物質が炎症を起こして、痛風発作が起こるのです。
◆ 痛風発作の検査所見
〇血液検査をすると、白血球の増加や炎症所見などがみられます。
〇関節液に尿酸塩結晶があり、そして多核白血球(核が分かれている白血球)が多くみられます。関節液とは関節が滑らかに動くための補助液です。
〇血清中の尿酸値は、発作中は正常な値になることも少なくないです。
◆ 痛風発作の経過
痛風発作は、ある日突然起こりますが、発作を繰り返している人は、発作直前に足が重たい、違和感があるなどの自覚症状がある場合もあります。この発作の起こりはじめの期間を、「前兆期」といいます。
前兆期の次に足を動かすこともできないくらいの激痛が起こる「極期」になります。この極期に入ると、24時間以内に激痛は最高潮になります。このときに、特別治療をしなくても痛みと腫れは、7~10日程度で消失し、次の発作が起こるまでは全く症状がなくなります。この期間を「間欠期」といいます。
[参考記事]
「痛風とは一体どんな病気?」
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