私たちの細胞には核があり、その中には遺伝に関与する「核酸」と呼ばれるものがあります。核酸とは、DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)を総称して呼びますが、この核酸が分解されるとプリン体になり、最終的には尿酸に変わります。
ということは、「核酸を多く摂るということはプリン体を体にたくさん入れる」ということになりますが、この核酸(DNA・RNA)を直接食べるというのは、なかなか想像しにくいものです。しかし、健康志向が強まる現在、核酸はサプリメントという形で、一販売されます。
では痛風の人は核酸サプリメントを摂ることが可能かどうかを説明していきます。
核酸(DNA・RNA)に含まれるプリン体量
私たちの体は、60兆個もの細胞でつくられていますが、その一つ一つの細胞に核酸は存在します。細胞は、常に古いものから新しいものに変わっていき、核酸はこの細胞の生まれ変わりに関係します。しかし、年を取ると核酸があまり作られなくなり、古い細胞を新しい細胞に変えられなくなるので、肌つやが悪くなるといった老化がみられます。
核酸は、肝臓で作られるか、食品から原料を調達して再合成するので、核酸を適度に補給することは、老化防止が期待できます。このような理由で、核酸のサプリメントを摂取することがありますが、この核酸に含まれるプリン体は、100g当たりなんと、高プリン食の基準である200mgをはるかに超える約21494mgのプリン体量になります。
核酸サプリメントのプリン体量
食品プリン体の含有量は、100gを基準に換算されるので、核酸のプリン体は普通の食品に比べて桁が違いますが、サプリメントで核酸を100g一気に食べるという事はありません。
しかし、サプリメントの1日の摂取量は、メーカーにもよって違いますが、中にはプリン体として200mgを上まわる摂取量になる可能性もあります。痛風持ちの人や尿酸値が高い人は要注意です。
痛風や高尿酸血症の人は核酸サプリメントを控える
核酸をサプリメントとして摂っていても適量を守れば、高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(日本痛風・核酸代謝学会)によって推奨される、1日のプリン体の摂取基準の400mgはオーバーしません。
しかし、朝昼晩と食事を摂っていれば、食品には大なり小なりプリン体があるので、1日のプリン体摂取量は、サプリメントのプリン体量のみで済まないことになります。ですので、核酸のサプリメントは、痛風や尿酸値が高いときは、控えましょう。
[参考記事]
「痛風と食事の関係」
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