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[痛風]尿酸値が高いと動脈硬化になりやすいの?

 

 尿酸値が高い状態(高尿酸血症)と、動脈硬化は関係があるのでしょうか。動脈硬化という言葉は、世間一般では良く耳にしますが、どういう状態を指すのでしょうか。なんとなく、血管が悪くなるようなイメージを持つかもしれません。

※高尿酸血症を放って置くと痛風になる可能性が高くなります。

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◆ 動脈硬化とは何?

 動脈硬化とは「動脈の壁が厚くなる、硬くなること」で血管本来の弾力性がなくなり働きが悪くなることです。

 私たちの体は、血管を通る血液が酸素や栄養素を運んでくれます。血管の構造は、動脈も静脈も、内側から、内膜、中膜、外膜の3層でできていますが、血液と接触するのは、内膜の表面です(ちなみに、動脈は心臓から送り出された血液を通す血管で、静脈は血液を心臓に送り返す血管です)。この内膜の表面は、内皮細胞で覆われています。

 高血圧や糖尿病を持っている場合、内膜と血液との接触部分である内皮細胞が傷つき、そこから、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が入り込みます(参考記事「コレステロールは薬で下げるな! 副作用の恐怖」)。これを放っておくわけにはいかないので、マクロファージという大型の細胞が、悪玉コレステロールを除去しようと、自分の中に取り込み、やがては死んでしまいます。

 このとき、マクロファージの死骸やコレステロールが内膜に溜まり、お粥状になるのですが、これにより内膜が厚くなり、プラークというコブができます。この状態を粥状動脈硬化といいます。プラークが破裂すると、血栓という血のかたまりができるので、こうなると血流が完全にストップし、脳梗塞や心筋梗塞などの怖い病気を引き起こします。

◆ 尿酸値と動脈硬化の関係

 動脈硬化の原因は、高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病などが主です。尿酸値が高いと、これら動脈硬化の原因を合わせ持っている場合が多いのが実状です。尿酸値が高くなればなるほど、高血圧などとの合併率が上がるという関係性がみられています。

 では尿酸値と動脈硬化は直接的な関係があるのか。まだ2つの関係性ははっきりとは解明されていませんが以下のことが分かっています。

 最近の研究では、尿酸の運び屋さんであるURAT1という物質が、腎尿細管だけでなく、血管の組織にもあることがわかってきました。URAT1については以下の記事で説明しましたので、参考にしてください。

尿酸は、腎臓から尿の中に排泄されるものもあれば、尿細管から再び体の中に戻されてしまう(再吸収)システムもあります。
このときに、運び屋である「URAT1」と呼ばれる物質が尿酸を再吸収しますが、女性ホルモンは、この運び屋の邪魔をして、再吸収を抑えてくれる役割を持っています。
「女性は痛風になりにくい?女性ホルモンは痛風と関係あるの?」

 このURAT1によって血管の細胞に運ばれてしまった尿酸が炎症を促すことで、動脈硬化が起こると考えられています。体の中に尿酸がありすぎると、関節だけではなく(関節の炎症が痛風)、血管にまで悪影響を及ぼす可能性があるので、尿酸値が高い状態を放置することは危険です。

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