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[痛風]原発性高尿酸血症と続発性高尿酸血症

 

 血清の尿酸値が7.0mg/dL以上ある高尿酸血症は「〇〇が原因で尿酸値が高くなった」というような確実に原因が特定できることは、そう多くないのです。

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◆ 原発性高尿酸血症と続発性高尿酸血症

 高尿酸血症になるのは、生活スタイルも原因のひとつですが、そのほかにも肥満やストレスなど、いくつかの因子が重なる場合がほとんどです。このように原因がはっきりしておらず、ひとつに特定できない高尿酸血症を「原発性(一次性)高尿酸血症」と呼び、普通はこちらに当てはまります。

 しかし、中には薬剤、遺伝病、腎不全など、尿酸値が上がる原因が、はっきり特定できる場合もあります。この原因が特定できる高尿酸血症を「続発性(二次性)高尿酸血症」といいますが、こちらに当てはまる人は高尿酸血症の5%程度と多くありません。

◆ 続発性高尿酸血症の原因とは

①病気による続発性高尿酸血症
〇悪性腫瘍(がん)
 がんを治療する時の抗癌剤によって腫瘍細胞が壊れてしまい、その時、核酸がたくさん放出されます。核酸は尿酸の材料であるプリン体から作られているため、ここから尿酸が作られるので尿酸値が上がります。

〇遺伝子病
 特定の遺伝子が変異を起こすと「尿酸の素であるプリン体が過剰に作られる」「尿酸を体外にうまく排泄できなくなる」など、確実に高尿酸血症になってしまう遺伝子の病気もあります。例えば、家族性若年性高尿酸血症性腎症になると、体から尿酸の排泄が上手くできないので、高尿酸血症になってしまいます。

[参考記事]
「痛風は遺伝するの?」

〇腎不全
 腎臓は血液の汚れなどの老廃物を尿に排出するための器官ため、尿酸も溜まりやすくなります。ここが機能不全を起こしていると尿酸を排出することが困難なため、尿酸値が上がります。

②大量の飲酒
 アルコールは尿酸を増やす作用と尿酸の排出を阻害する働きを持ち、大量の飲酒を繰り返していると尿酸値が高くなります。

③激しい運動
 激しい運動をすると乳酸が溜まっていくのですが、この乳酸は酸性であるため、尿酸が尿に溶けにくくなり、尿酸値は上がります。

◆ 薬によって起こる続発性高尿酸血症

 いくつかの薬は、尿酸値を上げることがあります。少量のサリチル酸は、尿酸値を上げる作用があります。

 【高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン】によると

3g以上のサリチル酸大量投与だと尿酸値を減少させますが、1~2g程度のサリチル酸製剤は尿酸の排泄を抑えますので、尿酸値が上がります。

 市販薬のサリチル酸系の薬は、誰もが薬局で一度は見たことがあると思いますが、例えばバファリンやエキセドリンA錠などです。

 また、テオフィリンという気管支喘息の治療薬も尿酸値を上げます。そのほか、結核の薬であるエタンブトールなども尿酸値を上げる作用があるので、これらの薬を使用していて、なおかつ尿酸値が高い場合は、医師と相談しましょう。

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