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痛風の合併症である脂質異常症とは。何が原因?

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痛風と診断された患者さんの中には、脂質異常症を合併している人が多くみられます。
脂質異常症(高脂血症)は、血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が基準値より多いとき、またはHDL(善玉)コレステロールが基準値を下回って少なすぎる状態です。
LDLコレステロールの仕事は、私たちの血液を通して、体中の細胞にコレステロールを配っていくことですが、細胞にコレステロールが余っているとHDLコレステロールによって回収され、肝臓に戻されます(このような役割から考えると、コレステロールに悪玉も善玉もありません)。

では、この脂質異常症になると体にどのようなことが起こるのでしょうか。

◆ 脂質異常症とは

脂質には種類があり、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)もそのひとつです。
これらの名前を聞くと、肥満などの要因から、あまり良いイメージを持たないかもしれませんが、適量ある分には、とても体には大切なものです。

コレステロールは、胆汁酸やホルモンの材料になりますし、また細胞膜の成分にもなります(参考記事「コレステロールは薬で下げるな! 副作用の恐怖」)。
中性脂肪は糖やタンパク質よりエネルギー量が大きく、大変重要です。

このように重要な役割を果たす脂質ですが、多すぎると体に異常をきたします。
特にLDLコレステロールや中性脂肪が多くなる場合です。
また、HDLコレステロールが少なくても脂質異常症になります。

脂質異常症の診断基準は、LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、中性脂肪(トリグリセライド)が150mg/dL以上のどれかに当てはまる場合です。

◆ 脂質異常症から起こること

脂質異常症から起こる代表的な血管の変調は、動脈硬化です(参考記事「[痛風]尿酸値が高いと動脈硬化になりやすいの?」)。
動脈硬化になると心筋梗塞や脳梗塞の危険性が大きくなります。
血液中のLDLコレステロールが増え、血管の壁にコレステロールが溜まってしまうと動脈硬化を起こしやすくなります。
また、HDLコレステロールが少ないと、コレステロールの回収がしきれなくなるので、やはり動脈硬化になりやすくなります。

◆ 痛風と脂質異常症

中性脂肪(トリグリセライド)は、余分にあると皮下脂肪や内臓脂肪になり、肥満を引き起こし、コレステロールと同様に、動脈硬化を引き起こす原因になります。
この中性脂肪が多いタイプの脂質異常症を、高トリグリセライド血症と呼びます。

実は、このタイプの脂質異常症を起こしている患者さんの8割くらいに、高尿酸血症がみられるという報告もあります。
また、高トリグリセライド血症から肥満になると、脂肪細胞がインスリンの働きを弱くする物質を出すことにより、インスリン抵抗性が起こり、筋肉や肝臓がブドウ糖を正常に取り込めなくなるので、血糖値が下がりにくくなります。
インスリン抵抗性とはインスリンの量がいつもと同程度でも筋肉や肝臓でのインスリンの作用が弱くなる現象です。
ですので、血液中の糖を上手くこれらの組織に取り込めなくなります。
こうなると、血糖値を下げようと、さらにインスリンが過剰に分泌されて、血液中にインスリンが多すぎる状態、高インスリン血症となります(このような過剰な分泌が続くと
膵臓の機能が弱ることでインスリンの分泌力が弱くなり、血糖値は上がる)。
最近の研究でこのインスリンが正常に働かない状態になると、「代謝経路」に異常が生じ、痛風の原因である尿酸値が高くなることが分かっています。
例えばインスリンの値が高くなると、尿細管に尿酸が再吸収され(つまり、尿酸値排泄がきちんとされず)、尿酸値が上がると考えられています。
また、肝臓でインスリンがうまく働かないと(先ほどのインスリン抵抗性のこと)、プリン体の合成が促進される経路が働くので、尿酸がたくさん作られ、痛風になる可能性が上がるとも考えられています。

脂質異常症になると、動脈硬化や肥満、糖尿病など色々な病気を引き起こし、尿酸値まで影響する可能性があるので、自覚症状がなくてもコレステロール値に異常があるときは注意が必要です。

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