痛風は、血中の尿酸値が高くなることで発症する関節の病気です。発作時の激痛は日常生活に大きな支障をきたすため、食生活の管理がとても重要です。しかし、忙しい現代社会では、外食やコンビニ食を完全に避けるのは難しいものです。
そこで本記事では、「痛風を抱えながらも安心して外食を楽しむためのガイド」として、特に身近な「ファミリーレストラン」と「コンビニ」に焦点を当てて、安全な食べ方や選び方を詳しく紹介していきます。
痛風と食事の基本知識
1. プリン体と尿酸値の関係
痛風の直接的な原因は、体内で尿酸が過剰に生成されたり排出されにくくなったりすることで、尿酸が結晶化して関節に蓄積することです。食品中に含まれる「プリン体」は体内で分解されて尿酸になるため、プリン体の多い食品はなるべく避けるべきです。
2. 高プリン体食品の代表例
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レバー類(鶏、豚、牛)
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魚卵(イクラ、たらこ)
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干物(煮干し、かつお節)
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アルコール類(特にビール)
これらを避けつつ、低プリン体・高栄養価な食事を意識することが大切です。
外食の基本ルール
痛風の人が外食する際は、以下のポイントを押さえておくと安心です。
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動物性タンパク質は1日50g程度を目安にする
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野菜・海藻・大豆製品を意識的に摂る
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濃い味付けや脂っこい料理は控える
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汁物(スープ、みそ汁)は飲み干さない
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アルコールはできれば避ける
ファミリーレストラン編
ファミレスは幅広いメニューを提供しているため、選び方次第で痛風対策に合った食事が可能です。以下に代表的なファミレスごとのおすすめメニューを紹介します。
ガスト編
おすすめメニュー:
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「鶏むね肉のグリル 野菜添え」
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「日替わりランチ(豚肉やチキン主体)※揚げ物以外」
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「和風ハンバーグ(おろしポン酢)」
避けたいメニュー:
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牛ステーキ
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チーズINハンバーグ
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ビーフシチューやシーフードドリア
ポイント:
白米は普通盛りに、味噌汁は残すのがベター。ドリンクバーは無糖のアイスティーや水で。
サイゼリヤ編
おすすめメニュー:
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「若鶏のディアボラ風」
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「ミネストローネスープ」
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「やわらかチキンのサラダ(ドレッシング少なめ)」
避けたいメニュー:
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アンチョビのピザ
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ペペロンチーノ(ベーコンや魚介が入っていることが多い)
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ワイン・ビール
ポイント:
シンプルなグリルやサラダ中心に。パスタを選ぶなら具材が少なめのトマト系がおすすめ。
びっくりドンキー編
おすすめメニュー:
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「レギュラーバーグステーキ(ライス少なめ・みそ汁残す)」
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「エッグバーグディッシュ(卵はOK)」
避けたいメニュー:
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チーズバーグディッシュ
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ポテサラパケットバーグ
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ビーフシチュー風メニュー
ポイント:
ハンバーグでも牛肉100%より、合挽きや鶏肉ベースのメニューを優先。
コンビニ編
コンビニは品数が多く、選び方次第で痛風に配慮した食事が可能です。以下に食品ジャンル別に見ていきましょう。
主食(ごはん系)
おすすめ:
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おにぎり(梅、昆布、おかかなど魚卵・肉なし)
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雑穀米やもち麦入りおにぎり
避けたい:
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鮭ハラミ、明太子、ツナマヨ(プリン体多め)
おかず系
おすすめ:
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冷奴、納豆、サラダチキン
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野菜中心のお惣菜(ひじき煮、切り干し大根など)
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ほうれん草のお浸し、春雨サラダ
避けたい:
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肉じゃが(牛肉入り)
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ハンバーグ、チキン南蛮
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鶏レバーや煮物のレバー系
スープ系
おすすめ:
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けんちん汁(残しながら)
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豆腐とわかめの味噌汁(飲み干さない)
避けたい:
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中華スープ(動物エキスが多い)
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濃い味のカップスープ
軽食・おやつ
おすすめ:
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おにぎり+サラダ+冷奴セット
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バナナやカットフルーツ
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ナッツ(少量)、プレーンヨーグルト
避けたい:
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ポテトチップスやカップ麺(塩分+動物系原料)
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ビーフジャーキーやサラミ
飲み物の選び方
痛風の人は「水分補給」がとても重要です。1日2リットルを目安に、尿酸を体外に排出する助けとなる水分を多く摂りましょう。
おすすめの飲み物:
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水
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麦茶、ルイボスティー
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牛乳(適量なら尿酸排出を促す)
避けたい飲み物:
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ビール、発泡酒
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清涼飲料水(果糖が多い)
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エナジードリンク
緊急時の外食対応術
「どうしても外食しなければならない」「友人と飲みに行くことになった」など、やむを得ないシーンでの対処法を紹介します。
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居酒屋の場合:
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刺身盛り合わせは避ける(とくにマグロ・イカ・ウニ)
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焼き鳥なら「ささみ・ねぎま・皮なし」を選ぶ
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枝豆・冷奴・野菜スティックを中心に
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ラーメン店の場合:
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スープは絶対に飲み干さない
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トッピングはチャーシューなし、メンマと卵に
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麺は半分残すのもアリ
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カフェの場合:
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サンドイッチは「卵系」や「野菜中心」なら可
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スイーツはプリンやゼリーを選ぶ(小さめサイズ)
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まとめ:上手に選べば、外食でも安心
痛風だからといって外食を完全に断つ必要はありません。ポイントは、「プリン体をなるべく避けつつ、栄養バランスを考えること」。ファミレスやコンビニでも工夫すれば、痛風に配慮した食事を楽しむことが可能です。
また、外食の頻度が多い人は、定期的な血液検査と主治医のアドバイスを受けることも忘れずに。日々のちょっとした選択が、将来の健康につながります。
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