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痛風になると腎臓が悪くなって人工透析になる可能性がある?

 

 腎臓がかなり悪くなると人工透析(血液透析療法)になる心配がありますが、痛風になると透析になる可能性があるのでしょうか。痛風の代表的な症状は関節の腫れと激痛ですが、腎臓にも影響することがあります。

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◆ 人工透析とは?

 人工透析は、何をすることなのでしょうか。人工透析とは、機能が低下した腎臓の代わりに、機械に血液を通すことで血液中の老廃物を人工的に取り除き、水分量などを調節して、血液をきれいに保つことです。

 腎臓について簡単に説明すると、腎臓はソラマメの形をしてお腹の奥に左右1つずつありますが、腎臓は血液の汚れを除去し、体に要らないものは尿として排泄する仕組みを持っています(痛風の原因になる尿酸も腎臓を通して排出される)。また、骨に作用するビタミンDを活性化したり、血圧に関係するホルモンを分泌するといった、とても重要な機能があるのです。

 この腎臓の働きが悪くなると、腎不全という状態になり、体の中の老廃物が排泄しにくくなります。さらに腎臓の機能が悪化し、慢性腎不全になると、元通りに治すことは難しくなります。体がだるい、吐き気や呼吸困難など尿毒症の症状が現れます。初期の段階であれば、薬剤などで進行を遅らせる手段もありますが、末期の腎不全となると、老廃物が排泄できない状態をなんとかしなければならないので、人工透析という対症療法を用いるのです。

◆ 尿酸は腎臓を弱らせる

 では、なぜ痛風と透析が関係するのでしょうか。痛風になるということは、高尿酸血症の状態になっているので、尿酸が体の中にありすぎて結晶化し、関節だけでなく腎臓にも結晶が沈着を起こす場合があります。尿酸が結晶化して析出を起こすのは関節が多いですが、実は関節の次に腎臓に溜まりやすいのです。

 この結晶化した尿酸が原因で、腎臓が機能低下を引き起こすと、痛風腎と呼ばれる状態になりますが、これは透析が必要となる腎不全の大きな要因となります。高尿酸血症や痛風を起こしている人は、このような腎障害が高い確率で合併していることが多く、尿酸値を下げる努力が必要となります。

[参考記事]
「[痛風の合併症 痛風腎]痛風になると腎臓も悪くなる」

◆ 腎臓の機能が弱くなると尿酸値が上がり悪循環

 高尿酸血症から腎臓が弱ってくると、尿酸を体の外に出す機能が低くなります。体の中の余った尿酸は、大部分が尿から体の外に排泄されることを考えると、腎臓の機能が悪くなれば、尿酸は排泄できず、体の中に溜まります。するとありすぎる尿酸が結晶化し、どんどん腎臓を弱らせるので、さらに尿酸値が上昇し、悪循環に陥ります。

◆ 透析患者になると

 慢性腎不全になり、人工透析をするようになると、ほとんど毎日病院に通い続けなければなりません。人工透析をして自分の血液をきれいにしないと、体に老廃物が溜まって命にかかわる危険性が常に付きまとうのです。慢性腎不全になったら最後、腎臓の機能が復活することはないのです。

 一般的な血液透析を例にとると、透析の頻度は週3回で、1回の透析にかかる時間は4時間程度になります。仕事を抱えながらの人であれば、日常生活が大変になることは想像がつくことでしょう。

 以上のことから、痛風を放っておくと腎臓を悪くし、人工透析になる可能性があることがお分かりいただけたでしょうか。まずは生活習慣から改善しましょう。

[参考記事]
「痛風はストレスがあるとなりやすいの?」

「痛風になりやすい食べ物(食品)、なりにくい食べ物」

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