自律神経が乱れると、体の色々なところに変調が起こりますが、尿酸値が上昇し、痛風になる可能性はあるのでしょうか。
◆ 自律神経とは
自律神経とは、自分の意思ではコントロール不可能な神経で、体のあちこちの機能(内臓、血管など)に影響する重要な神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられ、交感神経は、体を活発に活動させる神経で、副交感神経は逆に体が安静なときに働く神経になります。
体が活発なときは、血管が収縮したり、脈が早くなるなど、交感神経の作用で緊張状態になります。寝ている最中は、リラックスしているので、脈が遅くなり、血圧も低く、副交感神経の作用が強くなります。
この自立神経が働いていると、日中は元気に活動できて、夜はぐっすり眠れるので疲れが溜まることがないのですが、自律神経が異常をきたし、自律神経失調症になると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。すると、めまいがする、だるい、偏頭痛、夜寝られなくなるなど、生活のリズムが崩れてしまいます。
◆ 自律神経と尿酸値
自律神経が乱れる原因の一つとしてストレスが挙げられることは、よく知られていますが、尿酸値の上昇もストレスと関係があります(参考記事「痛風はストレスがあるとなりやすいの?」)。
ストレスと尿酸値の詳しいメカニズムは、まだ分かっていませんが、尿酸値を上昇させる原因として、自律神経が関係するのではと考えられています。ストレスなどから、自律神経が乱れると、交感神経が働くので、体や心は緊張状態になります。すると、体は活動的になりますので、エネルギーをたくさん消費します。エネルギーをたくさん消費するということは、ATPという物質をエネルギー源として使いますが、これがプリン体の原料となり、尿酸が増えてしまいます。
また、交感神経が働くことは、血管が収縮するので血液の流れが悪くなり、腎臓への血流も悪くなります。すると、腎臓の働きが低下しますので、腎臓からの尿酸排泄がしにくくなり、尿酸値が上がり、痛風になる可能性が出てくるのです。
◆ ストレスをためないように生活する
自律神経のバランスに異常をきたす人は、ストレスを溜めやすい性格という側面もあります。完璧主義や頑張りすぎてしまう人は、ストレスを抱えやすく自律神経が乱れ、自律神経失調症になりやすいタイプの人です。
また、不規則な生活習慣も自律神経には良くありません。自律神経のバランスは、体のあらゆるところに支障が出るだけでなく、尿酸値をあげる危険性もあるので、ストレスを溜めないように、頑張りすぎず休むことを心がけましょう。
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