痛風になると関節が腫れあがりますが、その症状を緩和するために薬を飲んでいる人も多いです。
しかし、痛風の薬を使うことで、副作用が生じることもあります。若い夫婦の中には薬の影響の中でも「不妊になる懸念」を一番気にすると思いますが、果たして痛風になったときに使用する薬は不妊の原因になるでしょうか。
◆ 痛風になるのは男性だけれども
痛風は圧倒的に男性に起こる病気です。これは、男性は尿酸排泄を助ける女性ホルモンを持たないため、もともと尿酸が排泄しにくいからです。このように痛風の人口は男性が多いので、女性が痛風の薬を使用するケースは少ないですが、なぜ不妊の心配があるのでしょうか。
実は、痛風になったときに使用する薬の種類によって、精子に影響が出るという報告があるからです。
◆ 痛風の薬「コルヒチン」
痛風の発作が起こったとき、コルヒチンという薬を使います。コルヒチンは激しい痛みを伴う痛風発作の緩和や予防に使われる薬です。
日本では、痛風の発作の起きはじめと発作の起こりそうなときにこの薬を使います。また、よく痛風発作を起こす人には、予防として痛風の症状が出ていないのに、持続的(1日1錠)にコルヒチンを投与する「コルヒチンカバー」という方法を用いることもあります。
このコルヒチンの副作用は、主に下痢や腹痛などの胃腸障害ですが、なかには末梢神経の障害や血液障害、男性の精子の減少と異常などが報告されています。また、精子異常を起こす可能性があるとの報告があるので、男性がコルヒチンを使用している間の妊娠は避けた方が無難でしょう。
◆ コルヒチンの使用には注意
子どもが欲しい場合は、「(夫婦共に)コルヒチンは妊娠が成立する3ヵ月前から中止する方がいい」と、コルヒチンの添付文書に解説がありますので、この期間は避けた方が無難でしょう。個人的には念のため3ヵ月前より、もっと前から薬を使うのを止めるべきだと考えます。
薬によっては、サリドマイド(抗悪性腫瘍薬)やリバビリン(C型慢性肝炎治療薬)などの一部の薬のように精液に薬剤が混じり、女性に影響が現れることもありますが、コルヒチンにはそのような作用はありません。
もちろん、痛風が男性に多い病気とは言え、女性が痛風になる可能性もあるので、子どもを持ちたい場合は、コルヒチン投与時の妊娠は避ける方が安心です。
妊娠を考えていて、さらに痛風持ちの人は生活習慣を徹底的に改善してください。
〇ビールを含むアルコールを飲まない
〇水分を1日2リットル飲む
=>特にサウナやお風呂で汗をかいた後は水を多めに飲む
〇プリン体の多いレバーや魚の干物などを避ける
〇ストレスを避ける
〇肥満にならないように運動の習慣を付ける
[参考記事]
「痛風とアルコールの関係」
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