尿酸値が高い状態が続くと、ある日急に起こる痛風の激痛(痛風発作)は、足に出ることが多いものの、中には手に同じ症状が出る場合もあります。今回は、痛風が起こりうる手首に焦点を当てます。
痛風は手首にも起こる
手首に痛風の症状が現れると、関節が腫れあがり、強い痛みに悩まされることになります。これは、血液中の尿酸値が7.0mg/dL以上と高い状態(高尿酸血症)になった結果、尿酸が結晶化して関節に溜まってしまうことで起こってしまいます。
尿酸自体は強い抗酸化作用があるので、多少体にある分には問題ありません。しかし、運動不足や食生活が悪いなどの生活習慣の乱れや、遺伝的に尿酸値が高くなりやすい体質などが原因となり、多くなりすぎると、痛風になる危険性が高まってしまうのです。
痛風の症状は、発症しても1週間くらいで痛みや腫れが治まってくるので、そのまま何もせず、尿酸値が高い状態を放っておくと、1度だけでなく何度も再発してしまう可能性も十分あります。
特に痛風が起こりやすい場所は、体の末端の、冷えやすく、かつ頻繁に動かすために物理的な負担がかかりやすい部位になります。このため、足が最も痛風が起こりやすいところですが、手も体の中心よりは血流が少ないので冷えやすく、頻繁に動かすので負荷もそれなりにかかりやすいところになるので、痛風が発生する心配があります。ただ、初めから手首に現れることは稀で、大抵は足の親指の関節に痛風発作が起こります。
手首にも起こる痛風に似た症状をもつ偽痛風
手首が痛くなったときに、痛風に似た症状をもつ病気として、偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症)があります。「偽の痛風」と書くだけあって、関節に痛みと腫れの症状が起こります。
偽痛風の場合は、手首や膝などの関節に症状が現れることが多く、痛風と間違えられやすい病気になります。関節に痛みが出るときは、普通は痛風ほどの激しい激痛というわけではなく、もう少し穏やかです。中には痛みが長引く場合もあり、関節リウマチと症状が似ていることもあります。痛風は、ほとんどは男性がなる病気ですが、偽痛風の場合は、男女差はないとう特徴があります。
偽痛風の原因は、尿酸ではなくピロリン酸カルシウムの結晶が関節に蓄積することで発症しますが、なぜこの結晶が関節に現れるのかは、まだ解明されていません。
痛風か偽痛風かの診断は、関節液を検査して尿酸の結晶かピロリン酸カルシウムの結晶のどちらが出るかで判断できます。また、X線検査では、痛風の場合は関節に結晶は写らないのですが、偽痛風は結晶が見えるので、この検査も判別に使われます。
手首に痛みがでたら病院へ
痛風は、手首にも起こりますが、もし痛風だとすると、尿酸値を下げない限りは、また再発する可能性が十分に考えられるので、まずは生活習慣の改善と共に病院に行ってしっかりと治療しましょう。
[参考記事]
「偽痛風とは何?痛風とは違うの?」
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