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痛風には無酸素運動と有酸素運動どちらがベスト?

 

 痛風は、今や薬物治療での改善が可能になってきましたが、食生活や運動不足が原因のひとつであることから、患者さんの生活習慣の改善はとても大切です(薬の副作用を考えると生活習慣の完全は絶対に必要)。

 痛風を改善するために、どんな生活習慣に気をつければよいのでしょうか。簡単に言うと、食べる物に気をつける、お酒の制限、運動をすることの3つの点に気をつけなければなりません。この3つの中で、特に運動をすることに注目していきます。

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◆ 痛風に運動が勧められる理由

 「痛風になること」と「体重が増えて脂肪が蓄積し肥満になること」は一見関係がないように思うかもしれませんが、肥満になればなるほど、痛風になる可能性が上がることが報告されています。

 最近の研究で、肥満になると血糖値を下げるためのインスリンが上手く働かなくなり(インスリン抵抗性)、それが痛風の原因である尿酸の産生を多くすると考えられています。ですので、肥満の改善がとても重要となります。

 肥満の指標は、健康診断などでよく見る、身長と体重をもとに計算される「BMI」の数値を基準にしますが、この数値が25以上になると肥満となるので、25以下になるように体重を管理することが大切です。

[参考記事]
「肥満になると痛風になりやすいの?」

◆ 運動の種類

 運動には無酸素運動と有酸素運動がありますが、この2つの運動はどのように違うのでしょうか。まず、無酸素運動は、酸素を必要とせず、短距離や筋トレなどで、筋肉に強い負荷がかかる運動です。この運動には、グリコーゲンという糖質を消費します。

 対して有酸素運動は、体脂肪を使いますが、体脂肪を燃焼させるのに酸素を必要とします。そして、比較的軽い負荷が筋肉に連続してかかる運動になります。例えば、ウォーキングや軽いジョギング、ゆっくり泳ぐことが当てはまります。

◆ 痛風に良い運動は無酸素運動?有酸素運動?

 同じ体を動かすことでも、無酸素運動と有酸素運動、どちらが痛風に効果的なのでしょうか。運動して汗を流せばどちらでも大丈夫かと思うかもしれませんが、痛風のように尿酸値が関係してくる場合に適しているのは、有酸素運動になります。無酸素運動を行うのは、かえって状態を悪化させるので、有酸素運動をすることをお勧めします。

◆ 痛風に無酸素運動がNGな理由

 ダイエットのみの目的で運動をするのであれば、有酸素運動で体脂肪を減らし、無酸素運動で筋力を鍛えて代謝を良くし、太りにくい体をつくることもお勧めできます。

 しかし、筋トレや短距離走などの無酸素運動をすると、プリン体の一種であるATP(アデノシン三リン酸)を消費します。エネルギーに関係するATPは消費されるとADP(アデノシン二リン酸)に変わりますが、激しい運動をして酸素がないと、ATPに戻れず、尿酸になってしまうのです。

 そのため、尿酸値が高い場合は、無酸素運動を行うと逆効果ですので、有酸素運動が推奨されるのです。

◆ 有酸素運動は20分以上を週3回が目安

 日頃から、運動をあまりしない人にとっては、運動は苦痛かもしれませんが、有酸素運動は、1回20分以上を1週間に3回程度行えばベストです。軽いジョギングが苦手であれば、通勤のときにいつもより長く、少し早めに歩くなどでもいいので継続しましょう。

 有酸素運動で体脂肪が燃焼されるのは、運動を始めて即ですが、少し汗ばむくらいが丁度いい状態です。運動をして脂肪が燃焼されるのは20分後くらいと言われていましたが、これは正確ではありません。

 また、ジョギングでも息が上がるくらいの運動にしてしまうと無酸素運動になってしまうので(酸素の供給が減るため)、体脂肪が燃焼されず、尿酸が上がりますので、苦しくならない程度の運動にとどめましょう。

 汗をかくと体の水分がなくなり、尿酸値が上がりやすくなりますので、水分補給を必ずして有酸素運動をしましょう。

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