痛風は、関節が急に腫れて痛み出しますが、同じような症状のを持つ病気に化膿性関節炎があります。
化膿性なので細菌などの感染性が思い浮かびますが、まさにその通りで、放っておくと関節が破壊されてしまうので、適切な治療が必要です。
◆ 化膿性関節炎の症状とは
化膿性関節炎とは、関節に細菌が入ることで炎症が起こる病気です。
細菌による関節炎は、患部が酷く痛み、赤く腫れて熱を持つのが特徴です。
また、寒気やだるさ、食欲がなくなるなどの体全体に症状が出る場合もあります。
きちんと治療しないと、軟骨などの関節破壊が起こります。
もっとも化膿性関節炎が起こりやすいのは、膝関節ですが、足の関節などにも起こります。
◆ 化膿性関節炎の原因は細菌
化膿性関節炎を引き起こす菌は、黄色ブドウ球菌が主です(他には溶連菌、肺炎球菌)。
黄色ブドウ球菌は、顕微鏡で見ると、ブドウの粒が集まっているように見えるので、この名前が付いています。
関節の痛みが激しい症状は、痛風と似ているのですが、痛風は尿酸が原因なのに対して、化膿性関節炎は、細菌によるものです。
感染は、ケガをした時や注射の針に黄色ブドウ球菌がついていた場合などに起こります。
黄色ブドウ球菌は、私たちの皮膚にも付いているので、珍しい細菌ではないのですが、抵抗力が弱っている時に体に入り込んでしまうと、化膿性関節炎などの化膿性の疾患の原因となることが多い細菌です。
食品の中で増えてしまうとエンテロトキシンンという毒を出すので、発熱や嘔吐、下痢などの食中毒の症状を起こします。
化膿性関節炎になりやすい人は高齢者や関節リウマチなどの関節の病気を持っている人です。
◆ 診断方法
痛風の原因は尿酸値が高いことなので、血液検査をすれば尿酸値が高い事がわかりますし、夜に突然関節が腫れて痛む、患部は足の親指の付け根の関節が多いなどの特徴があるので、問診でもある程度わかります。
また、関節液を採取して検査すると、そこからは尿酸塩結晶が確認できるので、これらのことから診断できます。
それに対して化膿性関節炎は、腫れている関節から関節液を採取してどの細菌に感染したか検査します。
正常な関節液は透明ですが、細菌に感染した関節液の色は黄色で濁っています。
また、血液検査で白血球数の増加などを確認します。
◆ 治療方法
化膿性関節炎は、何の細菌に感染したか検査したあと、適切な抗菌薬の静脈投与を行います。
痛風では1週間くらい我慢すれば、何もしなくても痛みは引きますが、この化膿性関節炎は安静にしていれば治るというのは難しいので、早めの治療が必要です。
薬物治療と合わせて、膿を出すために注射器で吸引したり、手術することもあります。
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