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女性は痛風になりにくい?女性ホルモンは痛風と関係あるの?

 

 痛風になっている患者さんを見ると、なんだか男性ばかりな気がしませんか?特に働き盛りの、少しぽっちゃりした中年の男性に多い病気だということは、ご存知の方も多いと思いますが、なぜこうも男性ばかりが痛風になってしまうのでしょうか。女性は痛風にならないのでしょうか。

 まずは復習として尿酸が排泄される仕組みについて説明します。

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◆ 尿酸排泄のしくみ

 痛風は、体の中に溜まりすぎた尿酸が結晶化した結果、起こる病気です。関節に結晶が出れば痛風発作、尿路に結晶が出れば尿路結石など、からだの色々なところに結晶は現れるので、結晶化する前に、余分な尿酸は体の外に出したいものです。

 この尿酸は、体内の余分なプリン体を排泄するために作られた物質です。プリン体そのものは、体の中でも作られますが(体内のアミノ酸(グルタミンやグリシン)から作られる)、食事からも摂取されます。

 プリン体から作られた尿酸は、どこから体の外に出ていくかというと、尿や汗などから排泄されます。この尿酸の排泄に関わっているのが女性ホルモンです。

[参考記事]
「痛風は尿酸の結晶化(尿酸塩結晶)が原因」

◆ 女性も痛風になる?

 痛風の治療をしているのは、男性のイメージが強いです。実際、痛風になってしまうのは、8割から9割は男性です。

 ですが、女性が痛風にならないかというとそんなことはありません。女性も遺伝的な体質や、あまりにも不摂生な生活をすれば、痛風になる可能性はあります。

◆ 女性ホルモンの影響

 痛風は、圧倒的に男性人口の方が多く、女性人口の方が少ない病気です。これは、エストロゲンという女性ホルモンの関係により、尿酸の排泄が女性の方が得意な体質だということが主な理由です。

 尿酸は、腎臓から尿の中に排泄されるものもあれば、尿細管から再び体の中に戻されてしまう(再吸収)システムもあります。尿酸の運び屋である「URAT1」と呼ばれる物質が尿酸を再吸収しますが、女性ホルモンは、この運び屋の邪魔をして、再吸収を抑えてくれる役割を持っています。

 残念ながら、男性ホルモンにはこの機能はないので、女性ほど尿酸排泄が得意な体質ではないのです(ですので、男性の方が痛風患者が多いのです)。しかし、女性でも閉経を迎えると、女性ホルモンが減るので、尿酸値の上昇がみられます。ですので、閉経を迎えた女性は男性と同じようにプリン体の摂取に気を付けてください(参考記事「痛風になりやすい食べ物、なりにくい食べ物」)。

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