尿酸値が基準値を超えていると尿酸は結晶化して、関節に炎症を起こします。特に体温が低く、負荷のかかりやすい足に現れやすくなりますが、アキレス腱にも少なからず影響がありますので、詳しく説明をしていきます。
◆ アキレス腱とは
アキレス腱は「急所」としての意味で使われることが多い人体の部位です。確かにアキレス腱が痛くなるとまともに歩けなくなりますから、人体にとっては非常に重要な部位です。
アキレス腱は、「ふくらはぎの筋肉」と「かかとの骨」を繋げる役割があり、歩くときや走るときにかかとを持ち上げるなど重要な役割を持ちます。アキレス腱は強靭なのですが、スポーツなどの最中に瞬間的に物凄い力がかかると断裂する場合もあります。
◆ 痛風の影響はアキレス腱にも出る
痛風発作が起こっているということはその原因である尿酸値は基準値である7.0mg/dLをオーバーしていることを意味します。この基準値を超えていると高尿酸血症になって尿酸が結晶化し、関節やその他の溜まりやすい場所に出てきてしまいます。
比較的体温の低い足の関節は、尿酸にとって格好の溜まり場ですが、アキレス腱も尿酸の結晶が溜まりやすい場所のひとつです。特に足の親指の付け根は痛風を起こす部位としては有名ですが、アキレス腱の部分にも尿酸の結晶による炎症が起こることがあります。
ですので、何もしていないのにアキレス腱に違和感を感じた場合には痛風の可能性も考えなくてはいけません。
◆ アキレス腱に現れる痛風結節
痛風を治療せず放置しておくと次第に慢性化し、関節が激痛と一緒に腫れ上がる状態がだんだんと短い期間で襲ってくるようになります。そのうち、体にあふれた尿酸は、結晶化がさらにひどくなり、痛風結節という塊を作ります。痛風結節についてはこのサイトの「痛風結節とは」で説明済みです。
痛風結節(つふうけっせつ)とは何でしょうか。
これは、皮下組織などにコブのようなものができる病気です。
もっと詳しく説明すると尿酸塩結晶が、お互いにくっつきだして、大きくなってしまい、それにより患部が炎症することで発生するコブ(肉芽腫)です。
痛風.comより
こうなると痛風の慢性期になっているのですが、この痛風結節と呼ばれる塊はアキレス腱にも出てくる可能性があるのです。痛風結節は尿酸値を下げることで、半年から1年間くらいで少しずつ小さくなっていきます。
万一、痛風結節ができはじめたら、アキレス腱だけでなく、骨や腎臓などの内臓にも影響が出ている可能性がありますので、必ず尿酸値は正常な値に戻してあげましょう。痛風は痛いだけはなく、尿酸の結晶が腎臓に溜まることで機能が弱くなり、最終的には人工透析になんてことになりかねません。
ですので、痛風になったら薬を飲めばいいやと思うのではなく、生活習慣を改善することが基本です。このサイトで何回もお伝えしていますが、アルコールの摂りすぎ、食べ過ぎによる肥満、そしてストレスも痛風発作の大きな要因になりますので、「生活を根本的に変える」くらいの意気込みを持ってください。
このサイトでは何人もの人に痛風の体験談を書いていただいていますが、ほぼ100%痛風発作を繰り返しています。痛風とは一生の付き合いなんて言っている医師がいますが、これは「人は急には変われない」ということを前提にしているからです。きちんと尿酸をコントロールしていけば痛風発作は防げます。
これは血糖値の管理に似ているかもしれません。糖尿病になってしまうとなかなか血糖値が下がりにくく、最終的には糖尿病の合併症というルートをたどる人も少なくないですが、「糖質の管理」をきちんとしている人は血糖値が基準値で収まり糖尿病の合併症を防げています。
痛風体質も一朝一夕には変わりませんが、「痛風発作を起こさないように管理すること」は出来ます。
[参考記事]
「痛風はストレスがあるとなりやすいの?」
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