プリン体は、食品には大なり小なり含まれているものですが、痛風や高尿酸血症になっている場合には、プリン体の多い食品の食べ過ぎには気を付けなければなりません。プリン体が多い食べ物は色々ありますが、日本でだしを取るために使われる煮干しも、プリン体が多い食品のひとつです。
プリン体が多いか少ないかの基準は、100g当たりにどのくらいプリン体が含まれているかによります。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(日本痛風・核酸代謝学会)では、食品100g当たりのプリン体量が200mgを超えると高プリン食とし、1日にプリン体の摂取量は400mgを超えないようにすることが勧められています。
煮干しとは
日本では、だしを取るときに煮干しを使ったり、カルシウムが多いのでそのまま食べることもあります。煮干しは、その名の通り、魚を煮て干したもので、煮干しに使用する魚の種類は、カタクチイワシを原料としたものが多いのですが、その他にもマイワシやウルメイワシ、アジなどの魚でも煮干しは作られます。
因みに、「煮干し」という呼び方は、主に東日本で呼ばれ、西日本では「いりこ」と呼ばれるなど、地域によって呼び名に違いがあります。
煮干し含まれるプリン体
では、煮干しにはプリン体がたくさん含まれるのでしょうか。実は、煮干し100g当たりのプリン体量は、他の魚の干物に比べるとずば抜けて多く、約750mg程度です。そもそも魚の干物は、100g当たり大体200mgから300mgのプリン体が含まれるものが多いので、食べる量には少々気をつかう必要があります。
煮干しを食べるときの注意
プリン体が多いから、煮干しは悪い食べ物と極端な見方をする必要はありません。煮干しはカルシウムが多いので、骨を丈夫にしてくれる良い面もあります。また、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDや、貧血予防に役立つビタミンB12などが含まれます。
煮干しの大きさにもよりますが、数g程度の煮干しをそのまま食べる分には、プリン体の量はそこまで多くなりません。煮干し1袋の量は100gだったり200gだったりと様々ですが、さすがに1袋も食べる人はいないかと思います。10gの煮干し(三尾程度)でしたら、プリン体も大体75mgですので、数尾食べるくらいなら、プリン体に神経質にならなくても大丈夫です。
煮出してだしを取る場合は、目安として1リットルに30gくらいの量(プリン体の量で230mg程度)の煮干しが使われます。プリン体は水に溶けやすいので、ラーメンの汁にも多く含まれています。煮干しで出汁を取ったみそ汁は茶碗1杯分ぐらいであれば、プリン体の量は適切な範囲です(お椀1杯でプリン体15g程度)。