海に囲まれた日本は、どの地域も海の幸に恵まれています。しかし、海産物の種類によっては、プリン体を多く含むものも存在します。痛風経験者や尿酸値が高いときは、プリン体を摂りすぎないように、食生活に気をつける必要がありますが、その理由はプリン体が分解されると尿酸になるためです。
私たちが普段食べている食品には、多かれ少なかれプリン体は含まれますが、今回は海産物の中でも普段よく見かけ、手に入れやすいイカに焦点を当て、ご紹介します。
◆よく目にする海産物「イカ」
イカは海に生息している軟体動物で、大抵は夜行性です。そして、魚屋さんやスーパーの鮮魚売り場に行けば、必ずと言っていいほど見かける食品です。食用のイカの種類は、スルメイカやヤリイカ、ホタルイカ、アオリイカ、コウイカなど様々です。中でも日本で消費量が多いのがスルメイカで、お刺身や焼きイカ、煮物や天ぷら、揚げ物など幅広い調理法で親しまれています。
◆イカに含まれるプリン体
食品100g当たりに200mg以上プリン体が含まれていれば、プリン体の多い食品(高プリン食)に当てはまりますが、イカに焦点を当ててみると、実はこの基準には該当しません。
しかし、イカの種類によって多少プリン体の含有量に違いがあるものの、スルメイカで100g当たり約187mg、ヤリイカでも160mgあまりと、プリン体が少ないとも言いがたい食品になります。どちらかと言えば多い部類と考えていいでしょう。ですので、痛風の人は要注意です。
◆痛風時や尿酸が高いときはイカの食べ過ぎに注意
食品には多かれ少なかれ、プリン体は存在しますので、イカのプリン体が心配だからといって、全く食べないと決める必要はありません。イカは低脂肪で高タンパクな食品であり、タウリンも多く含まれています。タウリンは高血圧の予防や肝機能を良くするなど様々な効果があるとされていますので、イカを適量食べる分には健康に悪いものではありません。
しかし、本来プリン体がすごく少ない食品ではないため、大量にイカを食べるとプリン体の摂取量が多くなり、尿酸値に影響がでる可能性があります。イカ一杯の重さは、もちろん種類やサイズにより異なりますが、例えばスルメイカだと大きなものは300gになり、これでプリン体を計算すると187mg×3=561mgとなります。
日本痛風・核酸代謝学会の高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインによると、1日のプリン体摂取量は400mgを超えないようにすることが勧められているので、痛風の人や尿酸値が心配なときは、一杯(一匹)は食べすぎです。もちろん、寿司に乗っているイカであれば全く問題ありません。寿司のネタは10gくらいですので、スルメイカで計算するとプリン体は18.7gです。
何でもそうですが、1つの食べ物を食べすぎるのは止めましょう。