「痛風」とは漢字から、風が吹いても痛いという、とにかく厄介な病気のイメージがありますが、どんな病気なのでしょうか。
◆痛風とは
食生活や生活習慣の乱れから、体の中に尿酸が溜まってしまい、やがて結晶化した尿酸が関節に溜まりだして炎症を引き起こします。このとき、関節はパンパンに腫れあがり、激痛を伴います。
◆昔は滅多にない病気だった
日本で痛風は1960年以前は、滅多にない病気でした。しかし、食生活が欧米化してきたことにより、患者数が増えてきた経緯があります。
◆男性に多い病気
痛風は圧倒的に男性の痛風人口の方が多いです(男性が約98%で、残り約2%が女性)。女性は女性ホルモンの影響で尿酸が排泄しやすいので、男性よりは血液中に尿酸が溜まりにくい体質です。女性ホルモンが少なくなる閉経後は、尿酸値は上昇します。こうした理由により、更年期以降女性も痛風になる可能性があります。
◆痛風の予備軍「高尿酸血症」
痛風になる前は、血液中の尿酸値が高い状態が続きます。血清中の尿酸が7.0mg/dl以上ある状態を「高尿酸血症」といい、まさに痛風の予備軍状態です。
高尿酸血症が長期間続くと尿酸が血中のナトリウムと結合し結晶化して、関節などに痛みや炎症を生じさせます。これが痛風の発作です。高尿酸血症は特に30代と40代の男性に多くみられます。これは、仕事の付き合いなどから暴飲暴食をしやすいことや仕事の忙しさなどから生活習慣が乱れやすいからだと考えられています。
◆痛風の発作が起こるしくみ
高尿酸血症になると痛風の発作が起きやすくなりますが、以下の順番で進行します。
・尿酸が多くなり過ぎると血液の中で全て溶かすことが出来なくなります
↓
・そうすると尿酸は尿酸塩結晶を作り、関節組織に溜まっていきます
↓
・その関節組織を強く打撲したり、急激に尿酸値が変化すると関節組織に溜まっていた尿酸塩結晶がはがれ落ちます
↓
・はがれた尿酸塩結晶が関節腔内に放出されると、免疫細胞がこれを攻撃して炎症を起こします
↓
こうして、痛風発作になってしまうのです。
◆痛風発作の特徴
痛風発作は、突然、物凄い痛みで関節が腫れあがるのが特徴です。最初の発作は、足の親指の付け根あたりの関節である中足趾節関節(ちゅうそくしせつかんせつ)に多く起こります。単一の関節で起こるので、あちこちの関節が痛むことはないのが特徴です。特別な治療をしなくても、痛みは1週間から10日程度で治まり、次の発作までは全く症状がありません。
[参考記事]
「痛風の症状とは」