痛風になってしまう患者さんは、生活習慣が乱れてしまっている場合が多くあります。高尿酸血症から、すでに痛風を起こしている場合の治療は、薬物治療ももちろんですが、生活指導もあります。
◆ 痛風の生活指導
痛風の患者さんや、高尿酸血症になってしまっている方への生活指導は、食事療法、飲酒制限、運動が中心となります。
痛風を起こしてしまう方は、肥満状態であることも少なくないのですが、肥満を解消すると尿酸値を下げる効果も期待できます。
食事療法では、プリン体の過剰摂取を避ける指導が入ります(参考記事「痛風になりやすい食べ物、なりにくい食べ物」)。飲酒制限は、具体的にどのくらいのアルコールを制限すべきかの指導になります。
では、運動はどのように行ったら良いのでしょうか。
◆ 痛風には有酸素運動がお勧め
高尿酸血症、痛風を起こしている患者さんの中に、肥満や脂質代謝異常、高血圧などのメタボリックシンドロームを合併している方がいます。肥満状態の方には、適度な運動はとてもお勧めです。
どのような運動をしたら、良いのでしょうか。効果的なのは、「有酸素運動」です。
◆ 有酸素運動とは
有酸素運動とは名前のとおり、酸素を必要とする運動で、筋トレのような筋肉に急な力を加える無酸素運動ではなく、緩やかな力が継続してかかる運動です。有酸素運動は体脂肪がエネルギー源として消費されるので痩せる効果が期待できます。
◆ どのような有酸素運動がお勧めか
軽い有酸素運動は、はや歩き、ジョギング、水泳などになります。はや歩きは、自宅から駅までの10分間程度でも大丈夫です。ジョギングや水泳は毎回、10分以上で週3回以上続けることがお勧めです。このような有酸素運動をなるべく持続してください。
◆ 運動するときの注意点
運動をするときは、水分補給をこまめに行ってください。
また、激しい運動は、かえって尿酸値を上げて痛風発作の原因になってしまいますので、肩で息をするような運動は避けてください。また、バーベルなどの機械を使う筋肉強化運動、腹筋運動、腕立て伏せなど、瞬発力を必要とする短距離などの運動も推奨されないので、注意してください。
適切な有酸素運動は、医師と相談の上、無理なく行うことが大切です。