アルコールと痛風は、とても関係が深いです。痛風になる患者さんの中には、ビール等のアルコールが大好きの方も珍しくありません。適量なら問題ないのですが、飲みすぎは尿酸値を高くして、あなたの体を痛風にしてしまいます。
◆ 尿酸値はプリン体から作られる
痛風は、尿酸が体に溜まってしまっている状態です。この尿酸は、プリン体から作られます。プリン体は、私たちの細胞の中にあるDNAやRNAの材料になる物質ですが、過剰になると尿酸に変わって体外に排出されます。
しかし、それでも尿酸が体内に残ってしまうと尿酸値が高くなり、痛風になるリスクが上昇します。そのため、尿酸を下げるには、普段食べているもの、飲んでいるものにプリン体が極力入っていないものを選べばよいことになります。
◆ プリン体とアルコール
私たちの普段の食事で、プリン体が多い食べ物は、レバーなどの動物の内臓ですが、アルコール飲料もプリン体を多く含むものがあります。プリン体を含むもので代表的なのは、ご存知の方も多いかと思いますが、ビール(特に地ビール)になります。紹興酒もプリン体は多いです。
アルコールの中で、とりわけプリン体を多く含むのがビールですが、そもそもアルコール自体はプリン体が尿酸に変わるのを助けてしまう働きがあります。また、腎臓の機能を低下させるので、尿酸を排泄する力も低下させてしまいます。
さらに、ビールはプリン体が多いだけでなく、他のアルコールの中でも糖質が多いので、肥満の原因にもなります。例えば「アサヒ スーパードライ350ml」の糖質は10.5gです。角砂糖で換算すると3個分です。痛風になっている人は肥満気味の傾向がありますので、ジュース、お菓子などの甘いものの摂取もほどほどにしてください。
◆ アルコールを飲むときの目安
アルコールは、どのくらい飲むと尿酸値に影響が出てくるのでしょうか。尿酸値に影響が出てくるのは、日本酒1合、ビール500ml、ウイスキー60ml程度からですので、この量は超えないようにしましょう。
◆ 男性は特にプリン体摂取に気を付ける
痛風の患者さんは、男性が圧倒的ですが、これはホルモンが影響しています。女性は尿酸がたくさん作られても、女性ホルモンがその排泄を助けてくれるので、男性ほど痛風になる人はいません。尿酸値が高めの男性で、アルコール好きの方は、飲む量について、特に注意が必要になります。