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食事制限も運動もせず痛風の薬に頼って生きて行くと決めた男性

 

この記事は40代の男性に痛風の体験談を書いていただきました。

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 僕は年男(酉年)の48歳男性です。39歳11か月で痛風を発症、その苦痛に苦しんでのたうち回り、食事制限、激しい運動の制限、などいろいろと努力を重ねて現在、薬に頼りながら楽しく生きています。つまり、食事制限なし、運動なしで薬だけが頼りという状態です。

 楽しく生きるようになる現在までの経緯を振り返って、痛風という病気に対する想いをお伝えしようと思います。

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時代が語る幼少期からの積み重ね

 僕は小学生の頃、少年野球チームに入団していました。身体が小さく細かった僕は主に守備要因で、小学校を卒業する頃には自分が野球に合わないことに気づき、中学に上がってからはサッカー部に入りました。そこからはずっと社会人まで現役を続け、現在は少年サッカーのコーチをしています。

 当時のスポーツはというと、「水を飲むとパフォーマンスが落ちる」「水を飲んでお腹が痛くなったらプレーに差し支える」という「現代ではタブー視されている間違った指導」が横行していました。そういった環境の中でスポーツをしていた僕は、体内の水分を汗で出せなくなり、小便の回数が極端に少ない体質となっていったのです。女優さんは撮影中には汗をかかないと言われていますが、それと同じでしょうか(笑)

 痛風の予防には水を1日に2ℓ飲んで尿酸を尿で出すことが良いとされていますが、私が痛風になったのも昔のスポーツが影響しているのかもしれません。

 22歳で大学を卒業して就職すると、まず覚えさせられるのが「飲みニュケーション」。これは、酒飲みの上司が「仕事は飲みながらのコミュニケーションで7割は片付いている」などと部下を連れ出すためにある酒を飲む言い訳ですが、飲めない・付き合いができない部下は、仕事の本質の話を聞く機会が少なくなり、社会人として向上する機会を失うのだといった、歪んだ指導を良く受けていました。

 大学の体育会系の縦社会を経験して上役に絶対服従の精神を植え付けられた若者がそういう環境に飛び込むと、毎日吐くまで酒を飲まされるようになりがちです。私も例外にもれずそうでした。幼少期からのスポーツ指導で小便の回数が極端に少なくなった体質の私がさらに尿酸を増やしてしまうアルコールを飲んでいたわけですので、痛風になるのは当然かなと思います。

発症しても気づかず?

 30歳になった頃には、誘われなくても毎晩自分で深酒をするようになっていました。その頃だったと思います。定期健診で「尿酸値が高いですね。気を付けましょう」と医師に伝えられたのは。本人には自覚症状も全くないのでピンと来なかった記憶しかありません。

 30代も中ごろになるとその数値はますます高くなります。いつしか50人近くいた社員の中で尿酸値が一番高くなっていました(12.0mg/dl位でしたが、7.0mg/dl以上は異常値です)。その検査結果がでるたびに「やったー1位です」とガッツポーズで周囲を笑わせました。

 しかし、今思えばその時もうすでに予兆は出ていたのかもしれません。サッカーの試合でスライディングした時の事です。むこうずねをちょっと擦りむいたのですが、そんなことは幼少期からしょっちゅうなことなので、放置していたのですが、3日も経つと膝から下がパンパンに浮腫んで痛くて歩けなくなりました。

 傷からばい菌が入ったせいだろうと、抗生物質を投与してもらいました。その後も1週間くらい膝が痛かったので、この時の症状は痛風が原因だったのかもしれません。
また、この症状が出た直前、右手首がずっとびりびりとしびれていたような記憶があります。

発症してわかったこと

 とうとう39歳11か月で発症しました(先ほど説明したスライディング時の症状があるので正確には2回目かもしれませんが、診断を受けたのは初です)。ある土曜日にフットサルの試合に出場したのですが、次の月曜の朝、右足の親指の付け根、内側がボコん!と赤く腫れて無茶苦茶痛いのです。

 これは骨折だと思い、会社に休みの報告をして整形外科に行きました。医師がなぜかニヤニヤとしながら「レントゲン要らないと思うよ。」と。僕ももしやとうっすら気づきながらも、無理矢理にレントゲンしてもらって再び診察室へ。「ほらね、きれいな骨してるよ。痛風です。血液検査しましょう。」

 会社に報告すると、電話の向こうでは大爆笑。ずっと長い間、尿酸値一位でガッツポーズしていたんですから。痛風は風が吹いても痛いといのはウソです。風が吹かなくても痛い!のが正解です。これは、発症しないと分からなかったことで、勉強になりました。

 また、痛みが出てるうちは服薬してもダメなのだそうです。尿酸値の急変が発症につながるので、まずは痛み止めで痛みを抑えてから、尿酸値を抑える薬を服薬するのが望ましいそうです。

努力をしてはみたけれど

 幼少期からスポーツしてきた僕は、骨折の経験もあります。しかし、骨折の痛みなんか比べ物にならないほど痛風は痛いです。もう二度と味わいたくないと考えた僕は食事制限を試みました。調べると、とにかくプリン体を多く含む食事がいけないのだと。それで、野菜や大豆中心のベジタリアンな生活を半年近くやりました。ダイエットは目的ではないのですが、当然みるみる痩せていき周囲に心配される毎日。

 そんな生活、長続きするわけない!結局は元も食事に逆戻りです。これは良くないことですが、今は痛風前の食事のまま、薬に頼って生活している状態です。運動も激しい運動をした後に痛風を2回経験しているので、大好きなサッカーやフットサルはしなくなり、コーチに専念しています。それでも最近の尿酸値は7.0mg/dl前後。

 下手な努力は止めて、薬に頼りながら痛風と仲良く暮らしていこうと今まさに感じているところです。まだまだ、人生半ば。楽しく生きていきたいです。それにはうまい食事は絶対必要不可欠。いずれ、痛風の合併症が起こるかもしれませんが覚悟をしてのことですので、「人生楽しく」が第一です。これは人生観ですかね。

 長生きしたければ食事に気を付けて、運動もして、痛風を予防するということが一番良いことは言うまでもありません。

[参考記事]
「痛風とアルコールの関係」

「痛風には無酸素運動と有酸素運動どちらがベスト?」

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