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カナダ人夫の痛風体験記。痛風になったらチェリーとエプソム塩

この記事はカナダ人の夫を持つ日本人の女性に書いていただきました。旦那さんの痛風体験記です。

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 これは私の主人の痛風体験記になります。私の主人は、カナダ人です。身長178cm、体重74.8kgと特に肥満というわけではありません。仕事はITセキュリティのマネージャー。デスクワークが中心で、自宅の隣がオフィスなので、通勤もありません。運動不足を補う為に、毎日30分程度のエクササイズはやっています。

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突然捻挫したかの様な痛み

 その主人が左足の親指の付け根に異変を感じたのは、今から約6年前、クリスマスの直後でした。ここ北米でクリスマスは日本でいう「お正月」と同じビッグイベント。七面鳥の丸焼きにハム、数々のご馳走、ハイカロリーな食材が並びます。それらを食べ、ワインを飲み、その後数日間残った食べ物を食べ続けるという、まさに痛風街道まっしぐらの食生活でした。

 最初は捻挫かと思ったそうです。その程度の痛みだったのです。「捻ったかな?」そう思い、2、3日様子をみる事にしました。しかし、ある朝起きた時にその左足の親指の付け根は大きく腫れ上がり、歩く事さえ困難になっていました。私は直ぐに痛風を疑い病院に行く事を強く勧めました。

 そして、その日の内にクリニックへ。実は、彼の叔父2人も痛風を患っています。その事を医者に告げると、「うん、痛風だろうね。」という事で、その日は痛み止め、抗炎症剤を処方されて帰って来ました。

 その時はその痛み止めの薬のお陰で数日後には症状は何とか治り、その後3〜4年は穏やかな日々が過ぎました。その間、ちょっと違和感があるかな?という程度の事は偶にあったものの、市販の痛み止めを服用し、様子を見ていれば2、3日で治るといった軽いものでした。

再び目覚めた痛風の発作

 そして、今年の7月下旬、久しぶりの発作は起きました。今回は踵、足の外側(土踏まずとは反対側)が大きく腫れ上がり、とうとう松葉杖無しでは歩けない程に。

 しかし、今までは多少腫れても食事に気を付ける事で凌ぐことが出来たので今回も少し様子を見る事にした様です。(私は直ぐにクリニックに行く事を勧めたのですが…。病院嫌いの夫はギリギリまで自分で何とかしようとします。)

 ですが、今回はちょっと様子が違いました。数日経っても腫れは引くどころか益々腫れ上がり、膝まで腫れ出したのです。そこで、重い腰を上げ、ようやくクリニックに行く事にしました。

 今回は6年前とは違ったクリニックです。症状が今までになく重かったので、コルヒチンという薬を処方され、それを服用する事によって症状は治りました。

 コルヒチンとは、白血球の働きを弱める作用があります(白血球の攻撃で炎症が起き、痛みが発生するのが痛風)。飲み過ぎると下痢や嘔吐などの副作用が生じるため、余程の発作が起きない限りは、服用しないようにしています。最後の砦です。服用は朝夕2回、症状が重ければ、2、3日の服用で症状は収まります。通常は、最初の1錠を服用後には患部に熱を感じ、すーっと痛みも腫れも引いていくそうです。

発作を起こさないように日々心掛けている事

 痛風の発作が起きるまでは、食生活に無頓着だった主人。流石に痛風の痛みは侮れないと思ったのか、自分で食べる物、飲む物に気をつけるようになりました。夜の食事は、自宅で家族皆で食べるようにしているので、私が主人の調子を伺いつつ、食事の準備をしていますが、朝と昼は自分で適当に食べています。

 元々、少量の食事を1日数回食べるような人なので、朝は軽めにコーヒーとトーストやヨーグルト、バナナをほぼ毎日1本食べています。昼は仕事関係の人とのミーティングもある為、気にせず食べたい物を食べているようです。特に、厳格な食事制限をしている訳では無く、気をつけている事は「食事のバランス」と下記にあげる項目になります。

具体的には、
 1つの物を食べ続けず、バラエティに富んだ食材を摂る。

 日頃から、水分(コーヒー、緑茶、水)を頻繁に摂取する。尿から尿酸を排出するためです。

 アボカド、バナナ、みかんなどカリウムが多く含まれる食材を食べる。カリウムには利尿効果があり、尿酸が排出しやすくなるからです。日本人であれば海藻が一番ですが、カナダ人は海藻を食べません。

といった感じです。

 週に2〜4本程度の500mlの缶ビールを飲むことも有りますし、ワインを1週間で1本弱(料理に使用した後の残り程度)飲む事も有ります。プリン体が多いスルメイカを食べる事も有ります。本人が経験から色々と学んでいるようなので、発作の予兆を感じない限りは、至って普通の食事です。

 但し、主人の場合は糖分や脂物には少し注意が必要で、甘い物や揚げ物などを沢山摂った後には、比較的発作が起こりやすい傾向にあります。その他、ストレスも痛風に大きく影響しているので、そのせいもあります。

 これらの事に気を付けているからか、合併症の症状は今の所出ていません。未だ、尿酸値を測ったことは無いのですが、発作が出ていない時に測る必要があり、こちらの医療事情も相まって、なかなか機会がなく今に至ってます。

発作が起きたら?

 痛風発作が起きた場合、いつも以上に、食べ物、飲み物に気を配ります。ここ北米で有名なのが「チェリージュース」です。何でもボストン大学の研究で、633人の痛風患者の発作のリスクが35%、薬との併用では75%も下がったそうです。

 なので、カナダで「痛風」で検索を掛けると、「チェリージュース」という結果が多く表示されるのです。なんでもチェリージュースに多く含まれるアントシアニンには腫れを抑えたり、炎症を鎮める作用があるらしく、同様に少し含まれるビタミンCも痛風の予防効果を発揮する為だと考えられているようです。

 こちらでは、タルトチェリーとブラックチェリーという2種類のチェリーのジュースが販売されています。どちらにも同様の効果が期待出来るとの事なのですが。タルトチェリーの方がブラックチェリーよりも3倍多くアントシアニンを含んでいるそうです。

 両方試しましたが、結果にあまり違いは無かったので、セールになった時に、どちらか一方をを購入し、いつも1本ストックする様にしています。保険の様な感じです笑。本来は痛風が起きる前から飲むのがベストです。

 同時にやる事が、「エプソムソルト」を使ったフットバスです(カナダでは多くの人が痛風のためにやっています)。エプソムソルトは日本では「エプソム塩」と呼ばれるらしいのですが塩とは違います。正式には『硫化マグネシウム』と言います。

 我が家では、プラスティックの容器を購入し(両足が入る大きさ)、1/2カップ(こちらの1カップは250mlなので、1/2カップは125mlになります)の硫化マグネシウムと水を入れて、20分程足を浸けています。

 冷やすことで炎症による痛みを和らげるため、そしてエプソム塩による消炎効果を狙っているのですが、エプソム塩の効果は正直分かりません。冷やす効果の方が大事です。

 これらの事を並行して行う事で、痛みを大分緩和出来る様です。

まとめ

 痛風は、体質的な要素も大きく、決して肥満だけが原因でなる病気ではありません。

 発作が起きた時には、お医者様に診断をしてもらい、処方されたお薬を適切に飲めば、痛みや腫れは大体治るようですが、それだけに頼らず食生活を中心とした自己管理はとても大事です。

 食生活の乱れは他の病気にも通ずるものがあるので、これからも目を光らせて栄養管理の面からサポートして行きたいと思っています。

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