尿酸が基準値をオーバーした状態である「高尿酸血症」になると、関節に尿酸の結晶が出てきて、やがて腫れ上がり、痛風発作を起こす危険性が出てきます。
また、すでに痛風になっている場合、体に余りすぎた尿酸を排泄するためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか。
ここでは、尿をアルカリ性に傾けて尿酸を排泄しやすくするクエン酸についてお話します。
◆ 尿をアルカリ化するクエン酸製剤
痛風の原因である尿酸値が高い場合には、体の外に余分な尿酸を出してやらなければなりません。尿酸は、腎臓(腸からも排出される)を介して、尿から排泄されることが多いのですが、高尿酸血症の患者さんでは、尿のpHが6.0未満の酸性尿になっていることが多く、これでは尿酸が溶けにくくなります。
そこで、尿酸を尿に溶けやすくしてあげるために、薬で尿をアルカリ化する場合があります。この尿のアルカリ化を行うには、クエン酸製剤などが使われます。クエン酸製剤は、ウラリット(日本ケミファ)が有名で、クエン酸カリウムやクエン酸ナトリウムが入っています。
◆ クエン酸を含む食品
酸性になっている尿をアルカリ側に傾けるには、クエン酸の薬を使えば簡単だと思うかもしれませんが、これは処方薬なので市販のかぜ薬のように薬局では手に入りません。
まだ、痛風は起こっていないけれど、尿酸値はかなり高いという場合には、日々の食生活の中にクエン酸を多く含む食品を取り入れることで、尿酸値を下げることが期待できます。
では、尿をアルカリ性に傾ける食品で、クエン酸を多く含むものは、一体どのようなものがあるのでしょうか。まず、クエン酸と聞くと、すっぱい食べ物のイメージがあるかと思いますが、その通りで、梅干しやレモンなどの柑橘類にはクエン酸が多く含まれます。
ただし、梅干しは、塩分も多いので食べ過ぎには注意しましょう。
◆ クエン酸は市販でも手に入る
クエン酸は、ドラッグストアやネットで購入することができます。クエン酸は、1日あたり5~15gくらいの摂取量を目安に、何回かにわけて飲む方が良いとされています。値段もメーカーによりますが、さほど高くはありませんので手に入れやすいものです。
クエン酸は、かなりすっぱいので、水に溶かして飲む、オブラートに包むなど、自分の飲みやすい方法で飲んでみるとよいです。ただし、すきっ腹にいきなりクエン酸を入れると、胃に負担をかける心配がありますので注意してください。クエン酸はドラッグストアで手軽に買えますが、個人的には柑橘類などの食べ物からクエン酸を摂っていただきたいです。
◆ 野菜を中心にバランスよい食生活を
尿酸をうまく体の外に出すには、クエン酸を多く含む食品が良いということはわかっても、梅干しや果物ばかり食べていいわけではありません。
尿をアルカリ性に傾ける食品は、他にも緑黄色野菜やひじきなどの海藻類もあります。逆に肉類や魚類は尿を酸性化する食品ですが、全く食べないもの栄養が偏りますので問題です。バランスのとれた食生活を心がけて、尿酸をうまく体の外に出してやりましょう。