この記事は旦那さんの痛風の様子を奥さんに書いていただきました。
………..
痛風との出会い
うちの夫は現在52歳、会社員。痛風が発症したのは、34歳の時。18年間痛風との付き合になります。この時の夫は標準体重68kgに対し79kgでした。
足首近くの甲が激しく痛み出し、捻挫したのかもと言い家の近くの整形外科で診てもらいました。その時の医者の診断は、筋肉痛or打ち身 でした。
湿布をもらって数日様子を見ましたが、どんどん痛みが増してどうにもならなくなり大きな病院を受診しました。そこで「尿酸値が高いですね。高尿酸血症です」と言われました。
一般的に痛風の痛みは足の親指の付け根の出ると言われていますので、足首の甲、こんな場所が・・・というようなところが痛風に襲われています。足首の関節にも痛風が起こりますので、不思議はないですが。
会社の健康診断では、尿酸値の記載はなかったので、この時の検査で診断された時は驚きました。
高尿酸血症と診断されて
その後、数回痛風発作が起こり、薬で痛みをとっていましたが、高尿酸血症発覚から2年後に、以前は低いくらいだった血圧が上昇し、平均値上限の130/85を超えた142/90に。やむなく、痛風と高血圧の薬を服用することになりました。痛風と合併することが多い症状が高血圧です。夫も例外ではありませんでした。
2重のダメージを受け、このままではいけないと思い食事療法を決めました。食事療法により体重は62kgまで落ち、血圧も戻りましたが、尿酸値は高いまま。9.2まで上がってしまいました。薬を服用していましたが標準値まで下がることはありませんでした。
それから3年後のある日のこと突然腹痛を起こしたので病院に行ったところ、尿路結石が数個ある。との診断を受けました。尿路結石は痛風の合併症です。
このままでは危ないと思い、痛風の専門医を見つけ通うことにしました。ここで高尿酸血症は、尿酸が多く作られてしまう『尿酸生産過剰型』、尿酸が体外に出にくい『尿酸排泄低下型』、そして両方を持った『混合型』があることを知りました。検査の結果、夫は排泄低下型と診断を受けました。これは一般的に多い型なのだそうです。
これによって治療の方法と飲む薬が決められました。処方された薬はユリノーム(尿酸排泄促進剤)とウラリット(尿路結石を予防する薬)そしてアムロジピン(血圧を下げる薬)。さらに発作が起こった時のために 強力鎮痛剤ロキソニンを処方してもらい常備し持ち歩いています。
発作時の夫の様子
捻挫かひねった感じの痛みから始まり、歩くこともままならい痛みへと変わっていく発作。痛風は名前の由来通り“風が吹いても痛い”とのことですが、ダンナは風が吹くどころか、じっとしていても痛みが容赦なく襲ってくるし、周りの人が動いた時に起こる振動でも痛いと言います。靴下や靴を履くことさえも苦痛で息ができないほどなんです。もちろんこんな状態ですので、トイレに行くことも困難で数センチずつのほふく前進。
痛む場所は、左足だったり右足だったり、予測が付きませんが、痛む場所はいずれも足首付近の甲。さすがに左右同時に痛みがくることは無いですが。
この20年の間、多い時は年2~3回の割合で、最近は数年に1回あるかないかで発症してしまう夫ですが、長年の付き合いで痛風になりそうな気配が察知できるようです。
「足首が、もぞもぞする」と言います。
もぞもぞしてくるとだんだん熱を持ち、靴など履くことができないほどにパンパンに赤くはれ上がります。7~10日間痛み、完治するのには2~3週間かかります。
そして発作が発症するときは、ゴルフをした後や長い間歩いた時など激しい運動をした後が多いのです。激しい運動はいけないと痛風経験者であればご存知であろう。
食事療法をして分かった食事の大切さ
夫は、若い時から洋服や持ち物には興味がないのですが、おいしいものには目がなく食べ歩きをしていたようです。
お酒は強くはないので、発症前も今も時々晩酌に少しビールを飲む程度です。夫の場合、お酒が痛風発作の原因になっているとは思えません。
発症してからは、家での食事には気づかい、魚・野菜中心で超薄味にし、プリン体の多い食品を避け、旦那の希望で白米から発芽玄米に変ました。
朝は酢で溶いた梅肉エキスを混ぜた野菜ジュースで、お昼も社食での食事を止めお弁当にしました。
専門医へ通っていたお陰か、血圧は驚くほど低くなり、体重も平均を維持し、尿酸値も少しずつ下がってきていました。
ところが、単身赴任を余儀なくされ食事療法が難しくなってしまい再び体重・血圧・尿酸値が激増。仕事での激務が続き、病院で薬を処方してもらう時間もなく、薬なしの日々が続くことも原因の一つ。
体重84kg・血圧160/100・尿酸値10.7という、いつ血管が切れてもおかしくない危険な状態になってしまったときもありました。
単身赴任が終了し、家に帰ってきた今も、食事を作るときは薄味に気を付けているのですが、ストレスからか物足りなくなり、ラーメンや焼きそばなどを作らされたりすることもしばしばです。それが億劫なのでついつい濃い味のしつこい食事を用意するときが多くなってしまいました。
痛風経験者の心構え
なかなか治るのが難しいと思われる病気。
発作が頻繁に起こっていた初めのころは、夫も妻の私も生活習慣にはかなり気を使っていて注意していました。
しかし、18年間痛風との付き合いが長くなるとまさに「喉元過ぎれば熱さ忘れる」。発作が起きていないときは発作時の痛みなどすっかり忘れ、ひどい生活習慣になってしまうのです。
私自身、料理が得意ではないので食事を管理する妻には計り知れない苦労があります。家族が注意するだけでは絶対にどうにかなるものではありません。
病気になってしまった本人も強い意志を持ち病気と向き合って、病状と体調を自分自身で管理してほしいものだと強く感じます。これは糖尿病と同じで、いかに自分で糖質管理をして血糖値を上げさせないかが重要で、人任せでは上手く行きません
これからまだまだ付き合っていかなければならない痛風。私も夫に流されないで、食事に気遣って作らなければ。だって実は私も高尿酸血症予備軍なんですもの。
[参考記事]
「[痛風の合併症] 尿酸値と尿路結石は関係あるの?」