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痛風に効く漢方薬

 

 痛風の西洋薬については以下の記事で書きましたが、今回は痛風を治療するための漢方薬について説明します。
「痛風に使える市販薬」
「痛風や高尿酸血症を治療する薬を紹介」

 漢方薬は、大昔に中国から伝わった医学をもとに日本の風土に合わせて独自の発展を遂げた医学で、体質など個人差に重きをおいた治療を行います。漢方という呼び方は、江戸時代になって、オランダから入ってきた医学のことを蘭方と呼んだのに対して、日本独自に発展した医学を漢方と呼んだことがはじまりです。

 西洋医学の薬は、一つの症状や病気に効果がありますが、漢方薬は有効成分が一つではなく複数あるので、色々な効能が期待できます。患者さんの中には検査をしても結果に現れないが、何かしらの自覚症状がある場合があり、漢方はこのような病気の治療も得意です。

 では、尿酸が高い人や、痛風になってしまった人に効果のある漢方薬が存在するのでしょうか。もちろん、尿酸値が高い、すでに痛風の症状がでてきている患者さんに対して使われる漢方薬は、いくつかあります。痛風の治療として用いられる漢方薬にどのようなものがあるかというと、主に肥満を解消し、体の血の巡りや、水の巡りを良くして代謝を促進する作用のあるものが多く使われます。中には、関節の痛みに効く漢方薬もあります。

 それでは、痛風に効果的な、いくつかの漢方薬をご紹介します。

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大柴胡湯(だいさいことう)

 肝臓に作用する漢方薬なので、脂質が分解されやすくなります。また、余分な脂質が腸で吸収されるのを抑え、排泄を促す作用もあるので、肥満の改善に役立ちます。痛風になる人は肥満になっていることも多いので、痛風予防としても役立ちます。この漢方薬は、比較的体力のある人に使われます。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 大柴胡湯と同様に肥満型の人に使われる漢方薬になります。お腹に皮下脂肪を溜めている肥満の人や、便秘がちな人に効果があります。高血圧や肩こり、むくみ、暑がりでのぼせがある人、尿量が少ない人にも効果がありますので、尿酸排泄の改善ができます。この漢方も、大柴胡湯と同様に、比較的体力のある人に使用できます。

柴苓湯(さいれいとう)

 水分の循環を良くするので、利尿作用があり、尿量が少ない人に効果的です。そのため、尿酸の排泄をしやすくなる体の状態にしてくれます。また、胃腸炎や下痢、むくみの改善にも効果的です。

越婢加朮湯(えっぴがじゅつとう)

 関節の腫れや熱を帯びている場合に効果がある漢方薬なので、痛風にも有効な漢方薬です。関節炎や局所の腫れ、尿の出が悪い、むくみ、粘膜の腫れなどがある場合に使用されます。

疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)

 関節痛、神経痛、夜間に激しい痛みがある人に効果がある漢方薬になります。血の巡りが良くなるので、血行を良くして痛みやしびれを改善します。特に腰より下の関節や神経痛に用いられ、痛風やぎっくり腰などの痛みがあるときに使われます。

大防風湯(だいぼうふうとう)

 関節の腫れや痛み、こわばりなどの症状に用いられます。関節リウマチや痛風、慢性化した関節炎にも効果的です。体を温めて痛みを和らげるので、冷え性の人にも有効で、虚弱体質の人にも使用できる漢方薬になります。

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)

 水太りで色白の人に用いる漢方薬です。むくみやすく、体力があまりなく疲れやすい人、関節の痛みがある場合に効果的です。水分の代謝を促進するので、怠さも取れます。

漢方薬を使用する上での注意

 漢方薬は、今では手軽に薬局でも手に入るものもありますが、症状や体質などを総合的に判断して処方されるものです。薬である以上は副作用もあるので、詳しいことは、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談の上、自分に合った漢方薬を見つけることをお勧めします。

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